マーケティング担当者はリード獲得後の収益も追うようにすべき
次に、社名・ブランド名のキーワードに関して、同じようにリードが獲得できていても、そのリードに対する評価が異なるという2社の事例を紹介します。
まず、システム構築のA社。ビジネス系テレビ番組や、全国紙でも広告出稿しているので、知名度の高い企業です。そのため、社名での資料請求数が非常に多くなっています。
もう1社は、インターネット広告サービスを提供するB社。ここ数年で非常に伸びたインターネット広告のサービスを提供し、認知度も上がってきているためブランド名からの資料請求が多くなっています。
B社は、ブランド名から来た資料請求がかなりの確率で成約につながっています。そのため、ブランド名を非常に大事にしており、どうページを見せるかにも非常に工夫をしています。それに対して、A社も社名での資料請求数が多いものの、その事実をさほど評価していません。なぜだと思われますか?
A社の場合は、社名が知られているのでシステム構築の案件があると、とりあえず複数社によるコンペに参加するよう声を掛けられてしまいます。しかし「どうしてもA社で」というわけではないので、成約率が必ずしも高くなく、失注することも多いのだそうです。
社名から売上が立たないというわけではないですが、社名よりも「顧客管理システム」「SFA」といったキーワードからの資料請求の方が成約率も高く、利益につながりやすいという状況が発生しております。つまり、社名での資料請求が多いという状況は似ていますが、その先、つまり売上へのつながり方は異なっていると言えます。
マーケティング担当者の方々の中で「リード獲得」に重きを置く方がまだまだ多いのですが、大切なのは「そのリードが売上に結びついたのか?」という点にあります。そのため、そのキーワードが、どのくらいお金を産んだのかをきっちり意識するようにすることが、これからのトレンドとなるのではないでしょうか。
さて、先ほどB社の例を紹介する中で、「顧客管理システム」や「SFA」といった、ジャンル全体を表わすキーワードの成約率が高いと申し上げましたが、そういった商用性の高いキーワードの場合はリスティング広告のクリック率が高くなる傾向なので、参考として紹介いたします。
こちらは保険関連の代表的な10キーワードに関して、2009年9月のデータを基に、弊社が自主的に調査をしたものです。検索連動型広告が53%クリックされたという結果になっています。

これは極端な例かもしれませんが、商用性の高いキーワードに関しては広告がたくさんクリックされやすい傾向にあります。SEOも重要ですが、リスティング広告への取り組みも合わせて行うことをお勧めします。