申込フォームだけでなく入り口ページにもセキュリティ対策の見える化を
なお、EV SSLを導入するページとしては個人情報を入力する申込フォームだけでなく、トップページやランディングページも適切だ、と成生氏。SEO、リスティング広告などから集客したユーザーに対して、入り口となるページのアドレスバーを緑にし、セキュリティを見える化してアピールすることの重要性を訴えた。
「せっかくセキュリティ対策をしてもユーザーに分からないと意味がない。セキュリティ対策を『見える化』することでお客様を安心させて、信頼を得られるようにしましょう」(成生氏)
セキュリティ対策を「見える化」した成功事例として、最初に紹介されたのは、フラワーギフトのサイトを運営するイーフローラ。
「自分のためではなく贈り物のために使われるサイトですので、購入者と贈られる方、両方の個人情報を入力しないといけません。それだけに『注文情報を大事に扱っていることをお客様にわかっていただきたい』ということで、導入を決めていただきました」(成生氏)

ログイン画面、注文画面にEV SSLを導入することで、一目で安全なサイトだと伝わるようにしたという。
続けて、ライオン、有機野菜販売で有名なオイシックス、ウイルス対策ソフトベンダーのトレンドマイクロといった企業が、EV SSL導入により、着実にWebサイトからのコンバージョンを向上させた成功事例を詳しく解説。
中でもトレンドマイクロは、売上アップのためにさまざまな施策を試してきたが、「購入完了率はこれより上がらない」と頭打ちに悩まされていたという。 そんな折にEV SSLを知り、導入してみたところ、更新完了率で8.4%、購入完了率では0.4%アップという結果が出た。
「いろいろ試しても上がらなくなっていた中、0.4%も上がったのはすごく大きい」とその成果に対する評価は高かったという。
なお、トレンドマイクロはベリサインのSSLサーバ証明書導入済みサイトのみが掲載できる「ベリサイン セキュアドシール」を貼る位置も入念にテストし、最適なポジションを突き止めるなど、サイトの安心感を鍵としたCVR向上に熱心に取り組んでいるようだ。
最後に取り上げられたのは野村證券の事例。これまでは資産運用のノウハウコンテンツページなどにはSSLを適用していなかったが、Googleで検索してコンテンツページから入ってくるユーザーも居ることが分かった。トップページやログインページなどではアドレスバーが緑表示なのに、コンテンツページだけは白地。ユーザーに違和感を抱かせないために、すべてのページでEV SSLを導入したのだという。
終わりに、ネットマーケティングのポテンシャルはまだまだある、と成生氏。ただし、ネット犯罪などのセキュリティ面の不安が成長を阻害しているとし、Webサイトの安全・安心感をユーザーにアピールしてCVRを向上させるために、EV SSLサーバ証明書は有効な手段として更に幅広いサイトにて普及が進んでいくだろうと語った。
守りのセキュリティ対策から攻めのセキュリティ対策へ。発想を切り替えて、今まで以上にセキュリティを重視すべき時期が来ている言えるだろう。
