今後の課題はサイトではなくビジネスの最適化
Webサイトの最適化を目指す企業は日本でも増えてきたが、さらに一歩、二歩進んでビジネス全体の最適化に目を向けることが重要。
そのためには企業経営とマーケティングを統合し、マーケティングの方向性や部門間活動について、トップダウンで一貫性を持たせることが必要になる――。
「マーケティング戦略を設計するために知っておくべきデータ連携の勘所」と銘打ってMarkeZine Day 2010で登壇したアドビ システムズ 株式会社 オムニチュア事業本部のコンサルティング部長 大山忍氏は、会場に向けてそのようなメッセージを送った。
そしてビジネス全体を最適化するためには、オンラインのデータだけではなく、オフラインのデータまでを統合して分析・活用すること。そのための具体的なステップについては、大山氏の後を受けて登場した同事業本部コンサルタントの安西敬介氏から説明があった。
大山氏、安西氏の講演内容はどのようなものだったのか。これから詳しく紹介していこう。
顧客中心の企業経営を実現するCMOを待望
大山氏は講演の冒頭で、企業の中で同社に相談を持ちかける層が、現場からマネジメント層に移行してきたと明かした。
ここ2~3年は「詳しくない上司にどう理解してもらえばいいのか」と現場担当者から相談を受けていたものだが、最近になって今度は部長クラスからの「ネットに詳しくないのだが、部下をどう評価・指揮すればよいか」という相談が増えてきているという。
これまでの日本企業では、現場担当者がオンラインマーケティングに関する知識・経験を蓄えてサイトを最適化してきたが、今後の課題はトップダウンでマーケティング活動を最適化する取り組みになると大山氏は指摘。
企業の成長のためには従来型のプロダクトアウトの経営ではなく、顧客視点でビジネスを展開していく必要があるとし、顧客中心でビジネスを最適化するためには、ボトムアップだけではなくトップダウンで動く必要もあると訴えた。
「単純にWebだけでマーケティングを考えるのではなく、顧客接点の最適化という視点から、営業・流通・カスタマーサポートなどを巻き込んで企業全体で取り組んでいかなくてはなりません。そのために最高マーケティング責任者(CMO)が非常に重要な役割を担うようになってきています」(大山氏)
本講演資料はアドビ システムズ 社サイトに掲載されています。詳しくはこちらへ