eカタログ制作の時間とコストを削減
カタログやWebサイトを介して、自社企画の商品を消費者に直接販売する事業を展開している株式会社フェリシモ。季節ごとに商品ラインアップを刷新するたびに紙のカタログとWebサイトを更新してきた同社だが、さらにWebでeカタログまで提供しようとした思い立った際、かなりの時間とコストが掛かることに課題を感じていたという。
そんなフェリシモだったが、課題解決のためにアドビ システムズのクロスメディア配信プラットフォーム「Adobe Scene7」を導入。簡単にeカタログを制作できるようになったばかりか、iPhoneやiPadなどのさまざまなデバイスに向けても自社商品のカタログを用意できるようになったという。
複数のプラットフォームでコンテンツを配信していく上で、Adobe Scene7はどのように役立ったのだろうか。MarkeZine Day 2010で株式会社フェリシモのマーケティング本部eビジネス部 部長 島重仁氏から語られた同社の導入事例を取り上げていこう。
Web経由の注文比率増で生まれた、固定費用削減というメリット
フェリシモは1995年という非常に早い時期からWebサイトの運用を開始。
サイト開設当初はカタログの情報をWebに載せるだけだったが、インターネットの普及に伴い、Web経由の注文ができるように対応し、マイページ機能も追加。現在では紙のカタログではできなかったこともWebで実現していこうと新しい試みにも意欲的だ。
ネットレイティングスの調査によると、同社サイトの月間利用者数は149.5万人、月間4751万PVでeコマースのサイトとしては28位の規模になる。
サイト規模も順調に成長してきたが、同社事業の中でのWebの重みも増してきている。2004年にはWeb経由の注文数が全体の20%強程度だったが、現在は約半分を超える注文がWebから行われている。
島氏はWeb経由の注文が増えたことで「電話オペレーターや、ハガキ・FAXでの注文を入力するオペレーターを雇用する固定費が、半分以下になったことになります」とメリットを語り、今後、Web経由の注文数を100%に近づけていくことが目標だと述べた。
Webはそれだけ重要な販売チャネルになってきたわけだが、経費削減の面だけではなく、プランナーが開発した商品に込めた熱い思いを伝えられるという点からも期待されているという。
例えばこれまで紙のカタログでは載せられる写真のサイズ・点数に制限があったわけだが、Webでは載せきれなかった写真を載せたり、より細かいところまで見せていくことができる。
そのようにWebのコンテンツを充実させていこうと考えていく中で、eカタログを発行しようというアイデアも出てくるようになった。