Adobe製品との連係を強化
この中でも一押しなのが、CS5やAdobe SiteCatalyst(以下、SiteCatalyst)特にAdobe Test&Target以下、Test&Targetとの連係が強化されたところ。
Test&Targetは冒頭に挙げたA/Bテストやテスト、またターゲティングにかかる時間を劇的に縮め、ユーザー1人1人に対して最適なコンテンツを自動で表示してくれるところまでフォローしてくれる(参考記事:「LPOだけでは足りない」テストとターゲティングでコンバージョンアップを狙う)。それが今回アップデートしたScene7と組み合わさることで、さらに徹底したテストを実現できるのだ。
Test&Targetではメイン画像、バナー、訴求用の文章といったパーツ単位で、さまざまな組み合わせをA/Bテスト、多変量テストすることが可能だ。
だがテストの結果、「メイン画像はBパターンが圧倒的に良い。Bパターンをベースに画像内のキャッチフレーズの要素だけを微妙に変えて、さらにテストしてみよう。メイン画像のベースカラーの要素は今のところ青だけど、緑や赤でも試してみたいな」と思っても、その施策を実施するまでに時間がかかっていた。
具体的にはデザイン担当者に依頼し、メイン画像のさまざまなバリエーションを新しく作ってもらい、システム担当者にアップを頼む、といった具合のワークフローになっていたのではないだろうか。それが今回のアップデートで、このワークフローまでもが短縮された。

Scene7にCS5で作成したファイルをアップしているのなら、キャッチフレーズのテキストを微修正する、ベースカラーを指定しているレイヤーをいじってほかの色に塗り直す、といった簡単な操作をするだけでリアルタイムに本番環境へ反映できるようになった。しかもTest&TargetのTarget機能は、当たり前の話だが引き続き利用できる。それこそ無限に近い膨大なパーツ・要素の組み合わせを用意して、その中から最適なコンテンツをユーザーごとに出し分けることまで可能なのだ。
また、製品のズーム、商品の色・素材の変更といったアクションを取った後のユーザーの行動について、Scene7から直接SiteCatalystのレポート内変数にマッピングして追跡できるようにもなっている。
「ビーコンを埋め込まずにトラッキングできるなど、コンテンツをパブリッシュする側がコントロールを持つことによって、より効率化を図ることができるようになりました」(ダルグレン氏)
