ブランディングもオンラインで展開
また、オンラインでのブランディングも強化し始めている。10月には「The Adobe Museum of Digital Media」というバーチャルな美術館をオープン。人の表情などをモチーフにして、音・光・映像等のデジタルメディアを活用するトニー・アウズラー氏の作品を展示している。次は日本人アーティストでニューヨークを拠点に活躍中の森万里子氏の作品が登場する予定だ。
「この試みは収益を目的にはしていません。このサイトを通じて、より多くの方々にアドビ システムズのブランドに接点を持っていただくこと。そしてここでの経験によって、われわれのブランドに対して良い印象を持っていただくことができれば、と考えております」(ルネス氏)

アドビ システムズのソーシャルメディア戦略
さらにルネス氏は、アドビ システムズのソーシャルメディアの活用状況についても言及。コミュニティからの注目を集める社員が多く、彼らが書くブログはFlashなどのさまざまな同社技術に興味を持つデザイナー・開発者などによって熱心にフォローされているという。
そしてFacebookにはPhotoshopだけでも100万人規模のファンが存在する。アドビ システムズからも情報を提供するが、多くのファンがAdobe製品でこんなことができると発信し、相互に学びあえる情報共有の場に育っているのだとか。
ルネス氏はここでソーシャルメディアを活用した同社のマーケティングキャンペーンを紹介。写真を見せて「この写真はRealか、それともPhotoshopで加工したFakeなのか」とクイズを出す学生向けのキャンペーンでは、多くの学生を巻き込んだ。その上、クイズに参加した学生の6%が製品を購入するという成果まで上げている。
また、CS 5の発表前にはYouTubeで新機能を紹介するビデオを公開。写真上の不要物を除去して自然な背景に変えてしまう「コンテンツに応じた塗り」という新機能のビデオが反響を呼び、350万人に視聴された。その事実から「この機能は当たる」と確信を持ち、「コンテンツに応じた塗り」の機能に焦点を当ててプロモーションする方針を固めたという。