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ユーザーを知らずにWebをデザインできますか?~ペルソナ/シナリオ法の活用~

ユーザー行動シナリオは最初の設計図

 ペルソナは、フィールドワークやコンテキスチュアル・インクワイアリーなどのユーザー調査によって得られた個々のユーザーのシナリオから、ユーザーの行動や意識に共通のパターンを見出すための分析を経てつくられます。また、ユーザー個々のシナリオにおける実話を統合、拡張、モデル化することで、ペルソナを使った統合シナリオを作成します。この統合シナリオは、ユーザーの経験、ユーザーとデザイン対象となる製品やWebサイトとの間のインタラクションにフォーカスして記述していきます。

 ペルソナを使ったシナリオは製品やWebサイトの最初の設計図なのです。技術主導、モノ主導でデザインを行うのではなく、それを利用するユーザー主導でデザインをすることを可能にしてくれます。ユーザーがいつ、どんな場所で、どんな目的で、どのように製品やWebサイトを使うのかをシナリオとして記述することで、ユーザー要求を満たすための要件が明確になるのです。

 ユーザー視点でデザインを行う利点は、マーケティング施策の統合管理やブランドのコンタクトポイント全体の管理をより現実的な形で行えるようになる点です。ユーザーの行動を中心に考えることで、まずユーザーがどこで製品に出会い、また、どのような点で製品に興味を持つのか、ユーザーが製品の購入を決めるまでの道程において誰が関与し、何が最終的に購入の決め手となるのか、さらには購入した製品を使うのはどんな場面で、どんな風に使うのかといったところまでを、一人のペルソナの視点で総合的に捉えることが可能になります。

 こうした視点をもつことで、統合的マーケティング・コミュニケーション、一貫性のあるブランディング施策の設計がしやすくなるのではないでしょうか。最初にも書いたとおり、ペルソナ/シナリオ法は、価値ある顧客経験、ユーザーエクスペリエンスをデザインするために有効な手法です。それはともすればユーザー不在になりがちな製品やWebサイトのデザイン、マーケティング・コミュニケーションの企画を、仮想のユーザー像であるペルソナとともに、ペルソナとモノとの相互作用として描くことを可能にしてくれる魔法の設計図なのです。

 次回はこのペルソナ/シナリオの作成の方法や利用法について、より具体的にご紹介してみようと思います。お楽しみに。

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この記事の著者

棚橋 弘季(タナハシ ヒロキ)

芝浦工業大学工学部(建築学専攻)卒。マーケティング・リサーチ、Web開発等の仕事を経て2003年より株式会社ミツエーリンクスに。現在はWebを使ったマーケティングに関する企画や自社サービスの開発に従事。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/06/27 10:00 https://markezine.jp/article/detail/1348

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