3. KPIをどう定義しているのか?
ECサイトは売り上げがあるので分かりやすいが、それ以外のメディアやコーポレイトサイトではコンバージョンの定義が難しいため、日本ではKPIや指標の定義と実装が不十分なことが多い。マイクロコンバージョンや間接効果など、どのような指標を使っているのだろうか?
結論として、KPIは何にすべき、という議論はもう終わっていた。
選んだコンバージョンとマイクロコンバージョンはサイト全体で推移を追うのではなく、どのようなセグメントを切ると違いが浮き彫りになるのかを、Adobe Discoverを使って深堀りしていく。
Adobe DataWarehouseだけだと結果が出るまでに時間がかかってしまう。結果をグラフィカルに確認しながら任意の指標をリアルタイムでクロス集計することを繰り返す必要があるからこそ、Adobe Discoverを導入するのだ。
そして、浮き彫りになった違いを埋めるために、コンテンツや機能の追加や改変、マーケティング施策を実施し、その結果を見ながらさらにゴールに近づいていく。
そのためにAdobe Test&Targetがある。ここで重要なのは、オンラインで取得できる範囲で絞り込んだゴールとしてのKPIであり、その他の中間指標は違いを検出するためのきっかけでしかない。
まとめ
昨年のレポート「“マーケティングは永遠に変わってしまった” 楽天の最適化担当者がOmniture Summitで感じたこと」では、最後に「世界は少し先を走っているが、抱えている課題は同じであり、追いつけない差ではない」と締めくくった。
ところが、1年間を経て、世界も自分も経験を積んだ。
トンネルを抜けたと思ったら、新たな山が見えてきた。そして世界はさらに先を走っている。日本が得意としてきたモバイルでさえ、スマートフォンやアプリの分野で追い越された感がある。
世界で通用する仕事をしたい。そのために今、何ができて、何をすべきなのか?
英語公用語化の是非や、FacebookとTwitterの違いを論じている場合ではない。デジタルマーケティングのルールを作り上げている今、世界レベルで議論に加わり実践を積み重ねていく必要がある。それが見えてきたのが今回の最大の収穫だった。
