各専門家がアメーバ的に関わりあう仕事スタイル
広告営業チームの中には役割に応じて、いくつかの職種がある。顧客企業側との窓口になるアカウントエグゼクティブ、顧客にとって最適な広告枠のプランニングをするアカウントプランナー、Googleの持つ膨大なデータを分析して顧客に必要な情報を探し出すアカウントストラテジスト、といった具合だ。
常にこれらのメンバーが一緒に動いているわけではなく、必要に応じてアメーバ状に関わりあう。アカウントエグゼクティブがとらえた顧客のニーズを踏まえ、「YouTubeの広告枠を上手く使いたい」という案件であればプランナーに、「AdWordsの費用対効果を上げたい」という相談ならストラテジストに、Googleマップ関連の相談ならその担当者に、国内に情報がなければ海外のスタッフにと、その場その場でそれぞれの専門家を巻き込んで力を借りる。そして専門家は自らの役割を果たしたら、別のアカウントエグゼクティブが抱える案件に関わっていく、というのが仕事のスタイルだ。
多種多様な業界の経験者が集まるチームメンバー
さまざまな顧客サポートをしつつも最終的にはWeb広告を提案することになるわけだが、メンバーはWeb広告経験者で固められているわけではない。映画配給会社や自動車会社、保険業界経験者と多彩な経歴の持ち主がそろう。
小川氏は「僕らの仕事はWebの広告がどうこうという前に、顧客が業界の中でどんなポジションに居て今後どうなりたいのか、その中でGoogleがどうお手伝いできるのかと考えなくてはいけません。お客様のビジネスにどう貢献するかというのが最初に来て、Webの広告をどう売るかというのは後回し。ですから、Web広告出身者を集めているというわけではないのです」とその理由を説明。各業界の事情を知るメンバーが、それぞれ得意とする業界をカバーするのが理想だと語る。
実際、アカウントエグゼクティブを務める藤本あゆみ氏は人材業界の出身。現在は人材、教育、不動産といった業種が含まれるLocal and Educationという領域をカバーしている。

広告営業本部
アカウントエグゼクティブ
藤本あゆみ氏
「私は元々、人材業界が専門。今の仕事に就いてからは不動産業界も見るようになっています。2年ほど前から、まずはGoogleに私たちのような役割の仕事があることを知ってもらうため、不動産業界の主な企業をすべて回りました。専門家の方などからもお話を伺って、業界がどういう仕組みで回っているのか、各社がその中でどんな立ち位置なのかと学んできました」(藤本氏)
企業に連絡をしてみても、「Googleにそんな部署があったの?」と言われることもまだまだ多いという。そんな中でも藤本氏は、主要な不動産会社を一通り訪問し、Googleにできることを丁寧に紹介。Googleと直接コミュニケーションを取ることで、新しいことにチャレンジしたいという企業を探し、パートナーシップを構築してきた。そうした積み重ねが結実したのが、今年1月から実施された株式会社ネクストのキャンペーン「HOME'S PARTY」だ。