この1年でもアカウント数は数十%増~成長を続けるAdWords
いまやAdWordsはWebサイト運営に欠かせない、多くの企業が活用するツールになってきている。昨年、SEMPO(検索マーケティング協会)が実施した調査では、検索連動型広告に出稿する企業のうち97%が利用しているという結果も出ており、既に圧倒的なリーチを獲得しているようにも思える。
97%の企業がAdWordsを利用していると回答
(出典:SEMPO検索市場調査)

だが、AdWordsの成長に限界が見え始めたわけではない。国内でAdWordsを利用する広告主の数はこの1年間でも数十%増のペースで拡大。中小企業を中心に、着実に新規アカウント数は増加しているという。
「インターネットが普及するに連れて、インターネット上で商取引をしよう、サービスの予約を受け付けよう、資料請求できるようにしよう、という企業が増えているということですね。インターネットという場を通した経済活動がますます盛んになっているので、そこに自分の商機を見出そうとする企業が多い。さらに言えば、そこにエントリーする障壁がテレビ広告などとは段違いに低い。そこが支持されているのではないでしょうか」(王子田氏)
特に“月間数千円の運用からでも始められる”“初期投資が掛からない”といった点が、中小企業には支持されているのではないかと王子田氏は分析している。
新規アカウント開拓のための活動をしていると、“Google”というブランドは知られていても、“AdWords”という広告ソリューションがあることを知らない顧客が、まだまだ数多くいることに気付かされるという。新鮮な驚きとともに自戒を覚えるとし、「AdWordsは『お願いします』と頼まなくても使っていただけていた時代は終わっています。我々の方から積極的にコミュニケーションしていかなくてはいけない。リソースを割き、グーグルとしてのマーケティングをきちんとやっていかないといけません」と現状の課題について言及する。
実際、グーグルは中小企業を支援するためのサポート体制を強化。企業向けのサポートチームは2年ほど前と比べて2~3倍の規模に拡大している。今後も人員を増やす計画を立てており、より一層充実させていく考えだという。
中小企業のネットビジネス転換を支援

王子田氏は、東北地方太平洋沖地震の影響により、実店舗だけを販売チャネルにしていた中小企業がネットビジネスにも目を向ける契機になるのではないかとも考えている。
「日本の経済には震災の影響もあって閉塞感があります。でも、このまま閉塞させていてはいけない。復興は長い道のりになるでしょうから、それを支えるためには、キチンと経済活動を行い、その中から出てくる余剰を復興に充てる必要があります。そうした経済活動を少しでもサポートし、活性化しうる立場にAdWordsはあると思っています。そういう意味でも全力を尽くしたいと思っています」(王子田氏)
例えばAdWordsでは、携帯電話向け広告「Click-to-Call」を1年以上前から導入。広告クリエイティブ内で電話番号を表示できるようにし、クリックすることで広告主の指定した連絡先に直接電話が掛かるようにした。鍵をなくした、出先で近くにあるレストランを探したい、といったピンポイントなタイミングでニーズを持つユーザーにアプローチでき、電話番号さえあれば携帯用Webサイトを持っていなくても開始できるため、地域密着型のビジネスを行っている広告主の間で、利用が広まっている。効果も高く、電話番号が表示されないクリエイティブと比べて、クリック率(CTR)は6~8%程度高いという。
こうした地域に根付いたビジネスのWebへの進出に加え、特にグーグルが今年、AdWordsを通じてサポートしていきたい中小企業の活動は、海外進出だという。
