費用面から対象が限られていたネットのクチコミ分析が、ツール導入で調査対象拡大
2つ目の課題「ネット上の自発的な声をどう捉えていくのか」という点でも、見える化エンジンは活用されている。そもそも見える化エンジン導入前は、江崎グリコではネットのクチコミ分析は外部の調査会社に依頼していた。どうしても費用が掛かってしまうため、対象ブランド・広告キャンペーンを絞り込まないといけない状況だった。
それが導入後は、調べたいブランド・広告キャンペーンについて、気軽に調べられるようになった。しかも、見える化エンジンは「見やすくて分かりやすい。マニュアルを読まなくても感覚的に操作できる」と生活者調査室のメンバーに好評。SaaS型サービスという同製品の特徴を活かし、全員が使いこなせるようになっている。
「以前、インストール型のテキストマイニングツールを入れていたのですが、インストールしているパソコンでしか使えない。そこに座っている人しか使わなくなるわけです。
見える化エンジンの場合、ネットワークにつながっているパソコンから誰でも使用できる。個々人が互いのレポートを見ながら、レベルアップしていけます。1人だけ専門家を作るつもりはありません。部門としてみんなができるようになると、部門全体のスキルアップにつながるのではないでしょうか」(古澤氏)
ネットのクチコミ分析を内製化することで、外注していたころよりも、短期間で対応できるようになり、調査対象も広がった。「このキャンペーンの現在の評判を調べてほしい」といった、各部門からの急な要請にも対応できるようになったという。Twitterなどでは1つの発言でポジティブ/ネガティブの反応が切り替わったりすることもあるので、分析データを日々追えるようになったことは意義がありそうだ。また、各キャンペーン調査ごとに外部発注する手間や費用を考えると、初期費用20万円~/基本料金10万円~という見える化エンジンの料金体系は、比較的導入を検討しやすい価格帯だと言えるだろう。
テレビメディア検索機能でCM露出量とクチコミ数の因果関係もリサーチ可能に
最後の「広告効果測定をどんなやり方で進めていくのか」という課題については、まだ試行錯誤の段階。見える化エンジンにはテレビメディア検索の機能があり、テレビ番組やCMで商品情報が流れたタイミングでクチコミがどう変化したか、因果関係を調べることもできる。今後、CMの露出量とクチコミ数の変化を調べていくことで、CMの効果測定ができるようになりたい。古澤氏も見える化エンジンを使ったCM効果の計測には意欲的だ。
しかし、テキストマイニングを進める上で、ツールの機能も大切だが、ツールを使う側がノウハウを持っていることも大切だと古澤氏は指摘。ツールを使い込んでいくことで、自社独自のノウハウを貯めていきたいと話す。
「アンケートで自由回答欄を設けるにしても、漠然と質問していては有効な回答は得られません。質問の仕方にもノウハウがあるのです。こういう聞き方をすれば、こういう情報が集まる、というノウハウを貯めていかないといけません。ノウハウを貯めるには、まずはやらないと。その点、見える化エンジンは感覚的に操作できるので、わざわざサポートに聞かなくても使いこなせるのがいいですね。
生活者調査室だけに限って見れば、全員が使いこなせるようになっています。今後は社内のほかの部署にも広めていって、社内の仕組みとして取り入れていきたいです」(古澤氏)
リサーチ会社や専門のコンサルティング会社に依頼する、高価な専用ソフトを導入する、といった自力以外の選択肢の中で、アンケート調査・クチコミ分析をずっと容易にしてくれるのがSaaS(Software as a Service)型のテキストマイニングサービス。日本初のSaaS型ツール「見える化エンジン」は初期費用20万円~/基本料金10万円~と比較的検討しやすい料金で導入できる。
見える化エンジンの特徴は、次の3つ
- 直感的に把握できるアウトプット
- ワンクリックで簡単にレポート作成
- アンケートはもちろん、ブログ・Twitter・Facebookの声も収集・分析が可能