動画マーケティングでクリアしなければならない6つのSTEP
次に、川延氏は動画配信の仕組みを理解する一助として、企業が動画配信を始める際の一般的なプロセスを説明した。順を追ってみていこう。
STEP1:PC
動画コンテンツを用意し、PCの自社サイトで動画を配信し始める。
STEP2:モバイル
時代の変化に対応し、スマートフォン/タブレット/モバイルWeb/モバイルアプリなど、配信対象とするデバイスを増やしていく。
STEP3:収入源
インターネットTVなどさらに配信先を増やしたり、課金モデルの構築を検討するなど有効活用の道を検討する。
STEP4:ソーシャルメディア
もっと多くの人に見てもらうため、Facebook/Twitterなど、ソーシャルメディアと連携させ、クチコミ効果を狙う。
STEP5:追加コンテンツ
動画コンテンツの追加や、従来のオンデマンド形式だけの配信に加え、ライブ配信を検討する。
STEP6:解析・分析
配信したものを解析・分析し、改善した上で、新たなコンテンツを配信する。
日々の業務に加え、これだけの過程をクリアしていくのは、企業担当者にとって相当重い負担となるのは、容易に想像がつくだろう。この問題を解決してくれるサービスとして川延氏が紹介したのが同社の「Brightcove Video Cloud」だ。大量の動画を一気にアップロードする、様々な動画フォーマットに対応するなど、動画マーケティングの運用をサポートする機能が詰まっている。
モバイルデバイスの伸長で複雑化する動画マーケティング
続いて、川延氏はモバイルデバイスにおける動画活用の現状や問題点について言及した。
スマートフォン市場は日増しに活性化しており、再来年には市場シェアがフィーチャーフォンを追い越すと言われてほか、米国の大手調査会社ガートナーによると「2011年にはモバイルデバイスを利用しているインターネットユーザーが、PCを利用しているインターネットユーザーを上回る」という予測もでている。また、「2011年のモバイルデータの60%は動画が占める」(Bytemobile)、「2013年までにスマートフォン経由の動画視聴トラフィックは66倍になる」(Quantcast)など、遅かれ早かれスマートフォンでの動画配信を検討すべき時が来ることを、複数の調査発表によるデータが示しているという。
しかし、スマートフォンへ動画を配信するにあたり、マルチプラットフォームに対応しなければいけないという点が問題になってくる。PCだけの時代であれば、ほぼ全てのOSやブラウザーで動くFlashで動画を作成していればよかった。けれども、iPhoneやiPadなどの非Flashデバイスも存在するため、HTML5でも動画を作成しなければならないのが現状だ。全く異なる2つの形式で動画を作成するのは、手間以外の何ものでもない。
加えて、スマートフォンサイトを作るか、アプリを開発するかという選択肢も考慮に入れなければならないと川延氏は語る。
「スマートフォンに最適化したWebサイトを作る方が、アプリを開発するのに比べて、いくぶんコストは抑えられるでしょう。しかし、アプリをダウンロードするというひと手間をかけてまで利用してくれるというのは、企業やサービスに対して、ユーザーが愛着を持っているということです。そうした潜在顧客を手放しにしておくのはもったいない」(川延氏)
いずれにせよ、ユーザーとのタッチポイントを逃さないためには、スマートフォン向けにもPCサイトと同等な体験を提供する必要がある。こうした悩みに応えるのが、「Brightcove スマートプレーヤ」だ。FlashとHTML5の一括管理を行うことができる。