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MarkeZine Day 2025 Autumn

あの企業のソーシャルメディア担当者に聞きました!

いち早くFacebookコマースにチャレンジする、ライスフォースのソーシャルメディア活用術


どの接点でも同じ体験の提供を目指しソーシャルコマースを導入

Q. 利用している運用ツールについて教えてください

Twitter
  • hootsuite
    お客様が商品に関する「つぶやき」をした際に、コメントを返すため。
Facebook
  • SocialGateWay
    Facebook内にコマース機能を実装するために利用しています。
  • involver
    Twitterとの連携に使っています。
  • YouTube
    YouTube公式チャンネルとの連携に使っています。

濱門:英語版のFacebookページでは、Payvmentという無料のショッピングカートを利用しています。SocialGateWay以外はすべて無料ツール。有料ツールはもっと規模が大きくなったら検討していきたいです。

山下:つい先日、英語版のFacebookページにWorldJumperという多言語翻訳アプリを導入しました。世界各地からの注文も増えてきているので、Facebookを活用してお客様との継続的なコミュニケーションをグローバルに展開していければと考えています。

Q. ソーシャルコマースについて、詳しくお聞かせください

山下:お客様との接点がどこであっても、なるべく同じ情報を提供したいという思いから、決済までをソーシャルメディア内で行える「SocialGateWay」というツールをFacebookページとmixiページで導入しています。ソーシャルコマースに関しては、正直まだ数値的な成果は見えていません。ゼロではありませんが、微々たるものですね。ソーシャルメディアで買い物をするという文化が日本人の中に根付いていないので、これからに期待しています。

ライスフォースのFacebookページでは、直接商品を購入できるようになっている
ライスフォースのFacebookページでは、直接商品を購入できるようになっている

Q. ソーシャルメディアの効果測定はどのように行っていますか?

濱門:Facebookページはインサイトを使って効果を見ています。投稿したときの反応率やインプレッション率など、ユーザーに響いているかどうかを重視していますね。あとは本サイトを分析するアクセス解析ツールで流入元を見たりもしています。

山下:現状では、まだコンバージョンレートはあまり気にしていません。Webの純広告もかなり出稿しているので、ソーシャルメディアで培ったエンゲージメントが純広告の成果に寄与している可能性もあり、ソーシャルメディアの効果なのか、純広告だけの効果なのか、明確に切り分けるのはまだまだ難しいと思っています。

Q. ソーシャルメディアを使ったキャンペーンを実施したことはありますか?

山下:海外向けのFacebookページで、Facebook限定パッケージの特別セットを販売したことはありますが、国内ではまだありません。Facebookオリジナルコンテンツとして、「イケメン座談会」という企画をしたのですが、そういったコンテンツに関しても、現状ではお金をかけずにできる範囲で行っています。ですから、現状ではソーシャルメディアにかけている予算は1%未満ですね。もしキャンペーンを行うとしたら、販売促進費全体の中から予算を捻出する予定です。

Q. ソーシャルメディアの運用を始めて何か変わったことは?

濱門:ソーシャルメディアを始めるまでは、部門間を越えた担当者レベルでの打ち合わせをする機会はなかったので、他部署との交流は活発になったと思います。お米を育てる様子をコンテンツとして投稿しているのですが、それも5姉妹の自発的な行動です。

山下:あとはこれまでWebサイトに一元化して発信するしかルートがなかったところから、担当者レベルで情報発信ができるようになったのも大きいでしょうね。そのためにいろんな部署から担当者を集めたので、その効果はあったと思います。

Q. 目標としているゴールをお聞かせください

山下:当初、効果の見えないソーシャルメディアに時間を割くことに、批判があったのも事実です。けれども、やり続けることでファン数といった見える形で効果が現れてきたことと、我々のような中小企業がメディアに取り上げてもらえるようになったことで、払拭できたと思います。もしソーシャルメディアの運用をやめたときに、そのせいで売上が下がったと言われる状態、つまり、ソーシャルメディアを“なくてはならないコミュニケーションツール”として確立させることを目指しています。

インタビューを終えて

 国内ではソーシャルメディアの重要性を感じている人はまだまだ一部に過ぎず、好きな人がやればいいという他人任せの企業が多い中、組織体制としてしっかりと組み込まれている良いお手本を見せていただきました。

 明確な効果をイメージしにくいソーシャルメディア活用が、社内で始めから理解されるのは極めてレアなケース。それでもユーザーにとって有益な情報を発信するには、ソーシャルメディアを会社全体に関わる機能と捉え、部署の垣根を越えた協力体制を築くことが不可欠です。今のソーシャルメディア担当者には、周りを巻き込みながら根気強く説得し続け、社内の理解を得るための強いリーダーシップが求められているのではないでしょうか。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&Marketing Com...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/09/11 17:38 https://markezine.jp/article/detail/14499

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