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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

あの企業のソーシャルメディア担当者に聞きました!

SUUMOのソーシャルメディア担当者に聞く
ソーシャルメディアを軸とした「統合ブランドコミュニケーション」とは?


運営は内製化 「外注するデメリットの方が大きい」

Q. 日々の運用にあたり、どのように他部署と連携をとっていますか?

 骨子はブランドマネジメントグループで考えて、その時々で代理店やコンサルティング会社など最適なパートナーと相談しながらプランニングしています。

 運用については、SUUMOサイトを運営しているSUUMO事業部本体と各種データを共有したりしながら、密に連携をとっています。加えて、ソーシャルメディアは攻めも大事ですが同じように守りもとても大事なので、法務やコンプライアンス室とも協力していますね。

Q. 毎日スーモの画像を投稿していますが、これらはすべて内製ですか?

 そうです。ポリシーとして内製にしています。

 ソーシャルメディアは、カスタマーと法人をフラットにするものです。同じ立ち位置だからこそ、こちらの熱量がユーザーに伝わりやすい。手を抜いた物を出せばユーザーの反応も悪いし、こちらの頑張りもきちんとユーザーに伝わるんですよね。外部の人である限り、どうしても社内の人間と同じ熱量を持つことは不可能です。また、コンプライアンスの観点からコアな情報は社外に出し切れませんし、同じ社内でも部署が違っただけで、SUUMOブランドに対する想いは変わってきますから。中にいて、良いことも悪いこともすべて耳に入ってくる環境が大切なのです。

 ソーシャルメディアを通したブランドコミュニケーションは、カスタマーはもちろん、クライアントへのメッセージともなるものであり、経営の重要な一角を占めています。そのような大事なことを外部の人に任せられません。こういう思いを持って運営しているからこそ、魂の込もった言葉を発信できます。魂のない言葉は、人の心を打たず、広がらないですから。また、ソーシャルメディアは運用をしていく中でナレッジが溜まっていくので、外に出すデメリットの方が大きいと考えています。

毎日、Facebookで投稿している画像は内製
ある程度前もってストックしてあるものの、場合によってはその日のうちに作成して公開することも
毎日、Facebookで投稿している画像は内製。ある程度前もってストックしてあるものの、場合によってはその日のうちに作成して公開することも

Q. コミュニケーションについてルールや気をつけている点はありますか?

 運用面の話では、“一般の方”目線を徹底することを意識しています。「一般の方 = マジョリティ」でありカスタマーなので、“カスタマーが良いと思うこと“を徹底的に追及するということです。具体的には、誰かを不快にすることはやらない、社内でしか通じない常識は捨てる、日常的な感覚を大切に、といったポイントを大切にしています。

 コミュニケーションするうえでは、タイムリー性や季節性が特に大事だと感じています。西日本から首都圏にかけて午前中から雨が降っていた日に、急ぎスーモが傘を差した絵を作成して投稿しようと思ったのですが、天気予報で雨雲が北上し、全国的に雨になるという「夕方」を待った上でその投稿を行ったところ、300件以上の「いいね!」がつきました。午前中に投稿していたらここまで「いいね!」はつかなかったと思います。つまり、時間単位のタイミングを見ることが重要ですし、そのタイミングを逃さないスピード感が欠かせません。

 ルールに関しては、ソーシャルメディアガイドラインを策定しています。今はSUUMOブランドに関わる社内約1,800人に浸透するよう、「いかにソーシャルメディア上でブランド毀損や機密漏洩をしないか」「グレーゾーンをどう判断するか」についてなど、ワークショップ形式で、皆で考えながらナレッジや共通認識を積み上げることをしています。ソーシャルメディアについて深く知らなくても、「何がリスクか」を知っておいてもらう必要があるので、まずは“その行動がまずいかどうか”を考えてもらうきっかけを作っているところですね。

 頭ごなしに「こうしなさい」と言うとガイドラインは形骸化してしまい、誰も守らないものになりかねません。ソーシャルについて社内全員が普通に語り、怖がることも過度に面白がることもなく、継続的にきちんと活用できる状態にしたいと思っています。

田島さんオススメの情報源

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経営陣のソーシャルメディアへの理解が深まった

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&Marketing Com...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/11/10 19:38 https://markezine.jp/article/detail/14582

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