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デジタルマーケティング活用の最新事例レポート

Yahoo!トピックスは本当に狙えるのか?
PRコミュニケーションによるニュースのつくり方 ─ インタラクティブ会議室


Yahoo!トピックス掲載など、大々的にニュース化されるコンテンツのポイント

 物延:Yahoo!トピックスで取り上げられるなど、ニュースとして大々的に取り上げられるために必要なポイントは何でしょうか。

 天野:一言でいうと、世の中の関心事になり得るかどうかだと思います。分かりやすいのは芸能ネタですね。今で言えばAKB48の話題などは、ちょっとした話題でも掲載される可能性があるのは否めません。旬なタレントを絡めた内容のニュースはやはり載りやすい。

 2つ目のポイントは数を訴求すること。「○○で1位」など、いわゆる“記録モノ”はニュースバリューがあるので、大々的に取り上げられることを狙って意図的にこういった内容をニュースに盛り込むのも有効です。3つ目のポイントは、海開きや花粉症など、シーズナリティの話題に関連づけることですね。また、話題になっている「キーワード」と関連づけることもポイントとして挙げられます。少し前だと、例えば「草食系」「女子会」などを上手に使うとかですね。

 物延:単に露出を稼ぐだけが全てではないと思いますが、タレント、芸能ネタは、注目されているタレントであればあるほど露出の可能性は高いですよね。賛否両論はありましたが、グリコ「アイスの実」のプロモーションでAKB48のメンバーの顔を合成した新メンバー発表の話題は、露出量としては凄かった。また、ギネスを代表とする“記録モノ”もユーザーの興味になりやすい話題ですよね。世界一や日本一とか。“記録モノ”のニュースを作成する際に利用する、データベースなどあるのでしょうか?

 天野:全てとりまとまったデータベースは公開されて無いです。基本的には、まず何で1番になりたいかを決めて、徹底的に調べます。

 物延:事実確認をとるのですね。

 天野:そうです。認定団体があればそこへ問い合わせます。お墨付きがなければデタラメな“記録”になってしまうので、そういう意味で調べる作業は大事ですし徹底します。

 物延:シーズナリティでいうと、年間様々な話題があると思うので、マーケティング戦略としては設計しやすいものだったりしますよね。

 天野:タレントや記録モノに比べると、季節モノは設計しやすいと言えるかもしれません。ただ、休日はメディアも休むので祝祭日が絡む祭事かどうかなど、季節モノの場合は配信するタイミングに注意が必要です。

 即日掲載のメディアと翌日掲載のメディアがあるので、翌日が休みの場合次の営業日で休みの間に溜まったリリースの中から、掲載されるネタがピックアップされます。その場合、配信するタイミングを誤ると掲載される確立はぐっと下がってしまいます。

 物延:なるほど。メディアの休日も考えてPR施策を設計する必要もあるということですね。そう考えると金曜を避けることは定石ですね。

企業活動の話題を中心に据えたPRコミュニケーション設計

 物延:ここまでの話は、露出量をいかに稼ぐかという話題が中心でしたが、質の部分で、マーケティングとして訴求したい内容をきちっと語ってもらうために、どういうやり方があるのでしょうか。

 天野:常套手段は特になく、基本は目的に合わせて打ち手を考えます。しかし、PRは企業活動が中心にないと、いくら話題が拡散しても意味がありません。商品ローンチであれ、企業ブランディングであれ、企業活動としてしっかりとコミュニケーションの核の部分を形成する必要があります。

 物延:マーケティングという意味では当たり前ですが、露出を稼ぐことばかりに目を奪われてしまい、見失いがちなことかもしれませんね。

 天野:そうですね。バランスに一番苦労する部分です。真摯に企業活動を伝えていくことをストレートに行う場合、相性の良い媒体を選定して、それに合わせてコンテンツ設計することもあります。

 たとえば、トップインタビューなど、企業のトップがビジョンを語るというコンテンツは、媒体としても独占取材のような形になるので情報価値が高く、そういったコンテンツを好むメディアも数多くあります。その場合、内容も含めてしっかりと取り上げてもらえるケースが多いです。

 物延:トップインタビュー用のコーナーを持っている雑誌などもありますよね。

株式会社スパイスボックス インテグレーテッドプロデュース局 第4チーム マネージャー 物延 秀氏
株式会社スパイスボックス 
インテグレーテッドプロデュース局 第4チーム マネージャー 
物延 秀氏

 天野:例えば「トップに聞く!」、「経営リーダーになったら」、「リーダーの手帳拝見」などと題した枠で取り上げてもらう場合もありますし、業界専門誌などで1年ぐらい長い枠をとって社長が語っていくといったコンテンツが掲載されるケースもあります。

 物延:PRとして内容を充実させることを考えると、 最終アウトプットのコントロールができないという面で、どうしても難しい部分があると思うのですが。

 天野:そうですね。あくまでメディア発信の情報となるので、逆に最終までアプトプットをコントロールしてしまってはタイアップ広告と同じになってしまいます。PRはメディア発信だからこそ、第三者の中立的な情報としてユーザーに浸透するという性質を持ったものですので。

 ただ、社会の情勢によって露出すらされなくなってしまうことも起こりえるのも事実で、そういった突発的な事態に影響されやすい難しさはあります。急に首相が辞任するなど、大きなニュースとバッティングすると、媒体もパブリシティどころではなくなります。逆に、あまり影響力のないタレントが、前日の夕刊紙で熱愛報道され急に注目を浴びるなんていうこともあったり(笑)。どうしても水物のような側面はありますね。

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ソーシャルメディアでのPRコミュニケーション

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株式会社スパイスボックス(カブシキカイシャスパイスボックス)

スパイスボックスは、デジタルエージェンシー。

デジタル領域における、クライアントと顧客のコミュニケーションを構築し、検証を重ね、中長期的にサポートします。スタッフ一人ひとりが各分野での強みを生かしながら、デジタルコミュニケーションの総合的なノウハウと視野を持ち、高度なプランニング、プロデュース機能を発揮してクラ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/02/20 11:34 https://markezine.jp/article/detail/15189

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