中国におけるアプリビジネスの課題
まずは、1億人のスマートフォンユーザーの動向をOS別アプリインストールランキングから考察してみたいと思います。OS問わずランキングトップはゲームカテゴリです。日本のようなソーシャルゲームもありますが、大半は暇つぶしでプレイするようなカジュアルゲームに分類されるゲームです。
当社ではアプリのローカライズ事業やパブリッシング事業をクロスボーダーで展開していますが、常に直面する疑問が2つあります。
- 課金率が低い中国においてゲームアプリはビジネスとして成り立つのか?
- マーケットが分散している中国Android市場で、どのようにダウンロード数を獲得するのか?
この問題について考えてみましょう。
1. ゲームアプリの事業化
1つめのゲームアプリの事業化については、たとえばアプリインストール数の課金ユーザーの割合は日本に比べては約半分程度とも言われており、普及台数で見た場合のスマートフォンの世界シェアから見た中国の存在感に比べ、アプリ市場においては遅れをとっています。
しかし、AppStoreで銀行カードが使えるようになるなどの決済手段の多様化や、Wi-Fiなどの通信環境が整備されてくると、今後市場は拡大することは期待されます。実際に今までのオンラインPCゲームユーザーからの流入や、若い女性ユーザーが増加しているなどの傾向がうかがえます。
2. Androidアプリの可能性
2つめのAndroidアプリの可能性についてです。中国では、そもそも「GooglePlay」は公式には存在しないことになっており、そのため統計上なかなか現れてこないAndroidアプリのサードパーティ製マーケットが中国に数多くあります。通信キャリア運営、端末メーカー運営、独立系企業のマーケット運営などの主要マーケットだけでも30個程度あり、それらのチャネルを漏れなく抑えることが、アプリの販促には重要になってきます。
しかし、このように端末が売れているのにアプリが売れず、そのため良質なアプリを提供できないというアンバランスな市場構造は、中国のスマートフォンユーザーにも、アプリディベロッパーにもメリットがないため、この状況が続くとは考えにくく、いずれ是正されると認識しています。
