小売店の集客施策とその課題
小売店はよいマーチャンダイジング(MD:品揃えのこと)、売場作り、接客を用意していても、お客様が来店しないことには売上を上げることができません。
このため従来は、店舗の立地のほかに、チラシやティッシュ配り、交通広告等によって、認知を広げ、来店誘因を行っていました。しかし、これらの方法では正確に効果を計測することは難しかったわけです(※)。また、それらは事前にまとまった予算が必要なため、常にリスクを伴う投資でした。
販促担当者も、流行のキーワードやトレンドを追いかけて大規模な広告キャンペーンを行なったものの、効果検証がうやむやなままで終わってしまった経験は、一度や二度ではないと思います。
このようなキャンペーンは通常「認知」を高めることにフォーカスしますが、そのうち何%の消費者が来店し、そこから何割の来店者が購入したのかをカウントすることができないため、いきおいどんぶり勘定にならざるを得ませんでした。
WEBマーケティングに関わる方であれば、PVもコンバージョン率も計測できないサイトをターゲットに、月額固定のバナー広告を出稿することを想像して頂ければ、見えないことへのリスクをお分かり頂けると思います。
※調査や統計を使って間接的に計測する手法は存在することを申し添えておきます。
「真のチェックイン」を実現するために
しかし、スマートフォンの登場と普及によりこの状況が一変しようとしています。スマートフォンを使えば、認知、来店、購入など、従来ははっきりと見えなかったことがカウントできるようになるのです。
たとえば弊社の展開する「スマポ」は、「真のチェックイン」を実現し、厳密に来店を識別することができます。

真のチェックインとは、Foresquare(フォースクエア)等が、実際にそのお店に行かなくてもチェックインできてしまう「自己申告制」(またの名を「偽チェックイン」)なのに対して、特別なセンシング技術で、実際に来店していないとチェックインできないようにする仕組みです。
これまで、「偽チェックイン」の世界では、「バッジ」やデジタルコンテンツなど、ユーザーに与えてもあまり費用がかからないようなインセンティブを提供することが多かったと思います。しかし、「真のチェックイン」が実現できれば、実際に来店した消費者に対して、来店動機がより高まる嬉しいインセンティブ(たとえば、来店ポイントなど)を付与することが可能になります。
これまでは費用対効果がはっきりと見えないために、チラシ等の集客コストは無駄遣いしがちでした。しかし「真のチェックイン」では、そのコストの一部を効率化して、消費者へ還元できます。それが来店動機を高め、店舗への集客という目的の達成につながるのです。
これが、スマポが実現したい世界の第一歩です。次回は、この来店動機について詳しく見ていきます。
2012年6月29日(金)に開催される「MarkeZine Day 福岡」(会場:福岡アクロス)の基調講演に、柴田陽さんが登壇し、O2Oと「スマポ」について解説します。参加費は無料。当日は書籍『Webマーケティング基礎講座』(翔泳社刊)のプレゼントもあります。
イベント詳細&参加申し込みはこちらから⇒ MarkeZine Day 福岡