毎日631万人が利用する東京メトロ。毎日利用しているという読者の方も多いだろうが、車内や駅構内でじっくりと広告を眺めたことはあるだろうか。デジタルサイネージやネットとの連動など、最近の交通広告はWebマーケターにとっても見逃せない要素が満載である。最新動向を、株式会社メトロアドエージェンシーの小菅智彦氏、小針史朗氏にお話をうかがった。
移動中見てますか? 東京メトロのデジタルサイネージ
ホットトピックスはやはり、デジタルサイネージだろう。東京メトロでは、2008年6月から開始。まずは、車両のドア上部の「Tokyo Metro Vision」から、続いて丸ノ内線6駅のホームで「M Station Vision」が始まった。
「デジタルサイネージへの要望は増えてきています。その背景には3つの理由があって、まずは他社を含めてデジタルサイネージの導入が進み、首都圏を網羅するネットワークができつつあること。次に、デジタルサイネージへの一般的な認知が進んだこと。そしてこれは広告主にとってのメリットですが、テレビCMの素材に手を加えるだけでクリエイティブが出来上がるので、紙のポスター等より手間がかからないというのがあります」(小菅氏)
「駅の『M Station Vision』は、交通広告のデジタルサイネージではめずらしく、音声を流すことができます。これは他社さんでもなかなかない取り組みですが、テレビCM素材を流用していただくため、弊社では当初から取り入れることに決めていました」(小針氏)
車内サイネージ「Tokyo Metro Vision」で音声を流せないのは、業務放送に支障がないよう、乗客の安全を最優先するため。代わりに文字テロップを流す仕組みだ。なお、「M Station Vision」でも、ホームに電車がが入ってきてから出ていくまでは、業務放送を優先して音声をストップする。
株式会社メトロアドエージェンシー 媒体本部 媒体管理局 駅メディア部長 小針史朗氏(奥)
今後の展開がますます楽しみなデジタルサイネージだが、現在、駅の「M Station Vision」への出稿はやや停滞気味だという。
「デジタルサイネージは電力を使うメディアですからね、節電の影響を受けています。車内サイネージは、もともと走るのに電気を使っているので問題ないのですが、駅のサイネージは、広告のために電力を使うもの。こういった時勢にあえてそういったメディアに出稿するのはどうかと考える広告主が多く、やや苦戦しています」(小針氏)
一方、車内サイネージの「Tokyo Metro Vision」は好調だ。
「ご覧になったことがあるかと思いますが、『花粉指数』や『桜開花情報』といった広告以外のコンテンツも配信しています。このコンテンツと広告キャンペーンは非常に連動させやすいのです。
具体的な事例を上げると、お花見の時期にサントリーさんの『金麦』のキャンペーンがあります。桜の開花情報と連動させ、駅のホームドアには桜と金麦のラッピングを施しました。普段、広告掲載は期限を明確に区切るものですが、この場合は『桜の開花から散り始めまでやりましょう』とゆるく設定し、リアルな桜の状態に合わせたキャンペーンを行ったんです。
このように、広告主が乗りやすいようなコンテンツを、こちらから仕掛けてもっと配信していきたいですね。お花見のようなイベントにもメトロを使っていくことが多いでしょうから、リアルな人の動きも加味すれば、普段とは違ったキャンペーンが行えるのではと考えています」(小菅氏)
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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)
デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。
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