今回は、戦略的運営に重要な指針を考えます。キーワードは、企業が提供できる「本質的な価値」です。
現代はモノに溢れ、ユーザがインターネットを通じて必要な情報を自分で探す時代です。企業側の売りたい意志が強すぎると、ユーザの心は離れていきます。
このような状況下で、企業はどのような情報発信を行うべきなのでしょうか。第1回でも書いたように、オウンドメディア運営では「おもてなし」を重視します。
「売る」から離れることで始まるオウンドメディア運営
「どんなコミュニケーションでも、まずは、モノを売ることから離れましょう。共感できるビジョン、新しい発見、どんな価値を伝えていくか……コミュニティと語るべきことをよく考えてください」
私にそう教えてくれたのは、無印良品「くらしの良品研究所」のコーディネーター・土谷貞雄氏でした。
オウンドメディアは、中長期的にユーザとコミュニケーションすることで、少しずつ企業のブランディングや売上に貢献するようになっていきます。中長期的なコミュニケーションでは、企業側から価値を押し付けるのではなく、ユーザ側から「いいね!」と言いたくなるコンテクストをつくりあげていくことが重要です。
もちろん会社員として、自社利益とオウンドメディア運営を結びつけたいと思うのは至極当然です。リソースも予算も必要となりますし、上司からどのような営業的成果に繋がるのか説明を求められたりもします。
それでも、中長期的な運営を意識し、勇気をもって一旦「売る」ことから離れてみましょう。ユーザとの間に新たな価値を提供する場が誕生すれば、いずれ大きな企業の財産になるはずです。
- 「買ってください」の連呼は、ユーザーの心が離れる
- 売上や利益については、あえて考えすぎずに始める
- 新たな価値を提供する場となれば、いずれ大きな財産になる