アメリカでは新しいビジネス、サービスが次々と誕生する
「IT・ネットビジネスの領域において、アメリカは本当に進んでいます。世界の最先端を走るアメリカのスタートアップ企業のアイデアやビジネスモデルなどから、日本企業が学べることはたくさんあり、日本の経営者の方々も強く関心を持っていると感じます。
ただ、それらの情報を得る手段は限られていて、主要ネットメディアなどで目にする情報は、サービス概要の説明レベルである場合が多いです。そのニュースの背後にある情報、例えば、ファウンダーのバックグラウンド、サービスをはじめたきっかけや想い、ステージごとのマネタイズモデル、サービスを拡大させる戦略などに関する情報を届けることができれば、非常に価値があると考えています」と語るのは、フィールドマネージメント コンサルタントの井上裕太氏。
「また、日本企業によるアメリカのスタートアップ企業の買収や、彼らとの提携へのニーズは確実に存在しています。一方で日本企業は、若くカルチャーも大きく異なるスタートアップ企業経営者との関係構築が得意とは言えません。
私はこれまで数十人のアーリーステージのスタートアップ企業経営者と話をしてきました。彼らの多くは日本を世界の中でも“TechSavvy(テクノロジー好きで進んでいる)”で、巨大なマーケットのひとつだと考えていて、将来的に進出したいと言っています」
フィールドマネージメントは、マッキンゼー・アンド・カンパニーで最年少役員となった並木裕太氏が代表取締役を務める。経営コンサルティングサービスの提供、新規事業の開発・運営とともに、自社資本による新規事業の開発・運営も手掛けるユニークな会社だ。コンサルティングサービスを提供する中で学んだノウハウを自社事業の経営に活かし、逆に自社事業の経営で学んだ経験をコンサルティングサービスに活かすというスキームを実現している。
井上氏の前職もマッキンゼー・アンド・カンパニーだ。東日本大震災をきっかけにマッキンゼー・アンド・カンパニーを退社。その後、震災復興支援の教育系財団の立ち上げに参画し、現在はフィールドマネージメントに所属している。
シリコンバレー、ニューヨークなど、IT・ネットビジネスの最前線を頻繁に行き来する井上氏は、成熟産業の状況ではなく、“新しいビジネス、サービスが次々と生まれている生々しい状況”を、いち早く日本に伝えたいと考えているという。
井上氏は、その情報収集の場として、アーリーステージのスタートアップ企業が投資家向けにプレゼンテーションを行う場であるクローズドイベント「デモ・デー」に参加している。この「デモ・デー」を主催しているのが、アクセラレーターというスタートアップ企業向けの育成・教育機関だ。