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ソーシャルグッドで社会を変える

ソーシャルビジネス「リビング・イン・ピース」のマーケティング戦略~Google Grantsの活用

Google社が提供する、Google Grantsとは

 Google Grantsという、特定非営利法人の認定を受けている団体に対して、Google社が提供する広告活動助成プログラムをご存じだろうか。参加団体はGoogle AdWordsを通して、上限クリック単価100円などの制限はあるものの、毎月約100万円まで無料で広報活動を行うことができる。全世界では4,000以上の団体が参加しているGoogle Grantsに、LIPは今年の春から参加している。

Google Grantsのイメージ図

 「赤十字とか、規模が大きく有名な団体でなければ、なかなか難しい現状があり、私たちのような規模の小さい団体がGoogle Grantsの認可をとるのは奇跡的に思えました。思いがけず、Googleの知人からそうした機会があることを教えてもらい、認可につながりました。

 特別なことのように思えるかもしれませんが、これはNPOやNGOが事業会社の協力を得るときに必要なことで、一般化できると思います。うまくいっているNPOは、いろんな会社のCSR部の方から情報を引き出しているんですよね。これは一般化できる教訓だと思います」

 相手企業とリレーションを築く秘訣を尋ねたところ、「1つ目の手段は熱意に感染してもらうこと」という返答がかえってきた。「そして、もう一つ重要なのは、相手の会社の目線にちゃんと立つということ。CSRっていろんな目的でやってらっしゃる方々が多いと思いますが、日本においてのCSRって今やもうPRの一貫という位置づけが強いと思います。なので、自分たちの組織に協力することで、相手の企業にどんなメリットがあるのか、ばちっとはまる絵を描くことが大切だと思います」(慎氏)

 実際のGoogle Grantsの運営は、本業では広告代理店で働いている大倉氏が行っている。Google Grantsの運用は、今年の春から始めたばかりで、今はまだ試行錯誤の段階のようだ。

 「現状では、AdWords広告からよりも、グーグルの自然検索からサイトに訪れる方のほうが多いですね。Google Grantsを使い始めてからは、時期によって変動はしますが、1割強アクセス数が増えました。今までとは違ったキーワード、たとえば「寄付」という人気のキーワードでサイトに来ていただけるようになりました。アクセス数だけでなく、書籍やイベントなどの相乗効果もあって、寄付の申し込み者数も増えています」(大倉氏)

 日本でGoogle Grantsを導入している団体としては、有名どころでは世界最大規模の自然環境保護団体である国際的NGOのWWFジャパン。規模の小さい団体の導入事例もいくつかはあるが、日本ではまだ事例が少ないという現状だ。

 「私たちの規模のNPOで、Google AdWordsの広告枠を100万円分使い切ることは、けっこう大変なこと。最大限に活用するために、今はWebサイトのリニューアルに取り組んでいます。サイトのリニューアルと並行して、Grantsの設定などの見直しを行い、広告からの流入をもっと増やしていきたい」(慎氏)

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メディアとの関わり方こそ、小さな組織のマーケティングの要

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

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MarkeZine(マーケジン)
2012/10/01 11:00 https://markezine.jp/article/detail/16415

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