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MarkeZine Day 2025 Retail

あの企業のソーシャルメディア担当者に聞きました!

日清食品に聞く、「チキンラーメン」と「カップヌードル」のブランドカラーに合わせたコミュニケーション手法とは

やることは増えたけれど、リアルな反応が楽しい

松尾:売上への貢献は意識しつつも、お客様との日々のコミュニケーションが積み重なっていくことで、将来的なブランドロイヤリティにつながっていくと考えています。今までブランドサイトやコーポレートサイトでは取り上げられなかったような情報にも、ソーシャルメディア上では日の目を見るチャンスがあり、また、それを見て喜んでくれる人がいるというのは非常に嬉しいことです。やるべきことは間違いなく増えましたが、大変ながらもリアルな反応がもらえる分、楽しみながらやっています。

三宅:そういう意味で、一番変わったのは、ソーシャルメディアに対する私の認識でしょうね。始める前は、ソーシャルメディアの企業利用には限界があると思っていて、正直なところ、ある程度狭く深くコミュニケーションできればと考えていました。しかし、実際にスタートしてからはリーチの可能性を感じ始めています。1つ1つの記事や画像をより一層ブラッシュアップしていく必要があると、ひよこちゃんと話し合っている毎日です。

Q. ソーシャルメディアを使って達成したい目標は何ですか?

安武:日常的に情報発信をしながら、最終的にブランドロイヤリティを向上させていくのが、カップヌードルとしてのゴールだと思います。とはいえ、すでに幅広い層に受け入れられているブランドですので、イメージの向上というだけでなく、今まで届かなかった層に対して、“新しいカップヌードル像”を届けられるように、ブランドのあり方を見つけていくというのが使命だと思っています。

三宅:私自身、3年後、5年後のFacebookがどうなっているかも分かりませんし、また別のメディアが台頭しているかもしれません。WEBメディアの変化は他のどのメディアよりも早く、激しいと認識していますので、チキンラーメンのFacebookページに関しては長期的なスパンでは考えず、とにかく来年が勝負だと思っています。

 来年はチキンラーメンが発売されて55周年にあたる年なので、アニバーサリーを盛り上げるひとつの材料として位置づけて、マスとソーシャルを本気で使いこなせるよう、ひよこちゃんにもがんばってもらいながら、私自身も力を入れて取り組んでいきたいですね。

松尾:短期的にも長期的にも売上につながってくれるのが理想ではあるんですが、ソーシャルメディアで何かをやったから、これだけ売上が上がったと簡単に結びつけられるようなものではないと思っています。我々のお客さまがたくさんいる場所で継続的にコミュニケーションをとり、我々のことや、我々の商品のことを、より深く知ってもらうための活動は絶対にやっていかなければいけません。ユニークでクリエイティブであるという日清食品らしさ、企業としてのアイデンティティを感じてもらえるような取り組みを続けていきたいです。

インタビューを終えて

 ソーシャルメディアが登場するよりずっとずっと前から、多くの人に愛されてきた「チキンラーメン」と「カップヌードル」。老舗ブランドだからこそ、既存のファンを裏切らないコミュニケーションを心がけながらも、ソーシャルメディアを通して新しいファンに企業としてフレッシュでチャレンジングな姿を見せていかなければならないという難しさがあるということがわかりました。

 また、ソーシャルメディアポリシーを定めて、会社として一元管理をしようとするときに、担当者の個性を否定しないことが、ブランドの個性につながるというところは、意外と見落としがちなのではないでしょうか。

 言うまでもなく、ソーシャルメディア活用に正解の方程式はありません。今回のインタビューでは、社内外を問わず、他アカウントの良いところは見習い、悪いところは自アカウントを省みるきっかけにする、という謙虚な姿勢の大切さを教えていただきました。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&Marketing Com...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/10/19 11:00 https://markezine.jp/article/detail/16584

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