Offline Conversions
3つ目は「Offline Conversions」です。企業がすでに導入・活用しているCRMデータをGoogle アナリティクスに統合できる機能です。たとえば、コールセンターで収集している顧客のデータをGoogle アナリティクスと連携することで、顧客がウェブでサービスを検討し、電話で問い合わせや申し込みを行ったというデータを、ひとつのユーザーデータとして紐付けることが可能です。
この場合、ウェブの閲覧が1回目の接触で、電話は2回目の接触、2回目の接触である電話でコンバージョンしたという計測データになります。このようにコンバージョンがウェブではなく、オフラインの場合でもデータを収集、解析することができます。
Dimension Import & Joining
4つ目は「Dimension Import & Joining」です。ユニバーサルアナリティクスでは、マルチデバイスでユーザーIDを紐付けて解析でき、さらにCRMとも連携するため、大量のデータを収集することになります。そうなると実際の解析の切り口、解析軸もデータの増加に合わせてバリエーションが必要になります。
ユーザーIDに紐付けられた属性、履歴などユニバーサルアナリティクスでは、データが爆発的に増加するので、この大量データに対応しなければなりません。これらのデータを解析するための解析軸、ディメンションの追加拡張機能がDimension Import & Joiningなのです。
「解析軸」を、Google Analyticsでは「ディメンション」と呼んでいますが、Dimension Import & Joiningによってディメンションがカスタマイズ可能になります。ディメンションの定義は、カスタマイズしたり、CSVファイルでアップロードできます。
サミットに参加して
今年の Google アナリティクスの進化も驚くものばかりでした。そのほかのセッションでも最新機能の発表があったので、最後に主要な2つの機能に触れておきましょう。ウェブ解析と広告の融合を進める大きな進化といえる機能です。
Cost Data for ROI Analysis
アドワーズだけではなく、有料広告のコストデータを統合的に比較できる機能です。たとえば、Yahoo!リスティングの費用をデータとして取り込み、ROIを比較可能な機能です。
Campaign Management
キャンペーンマネジメントの機能も大きく進化します。今までは、5つのutmにパラメータを指定していましたが、ひとつのパラメータに集約できる管理機能が追加されます。
解析の進化が、ウェブの進化を加速させる
サミットに参加し、今年もGoogle アナリティクスの進化とともにウェブのさらなる進化を感じました。解析が進化すれば、それによるアクションや改善も進化します。ウェブはさらにユーザーに応えることができるメディアに成長し続けるということだと考えます。
今回のSimple Open Measurement Protocol、User ID Control、Offline Conversion、Dimension Importの4つの進化は、ウェブ解析からユニバーサル解析への大きな進化です。解析する視点が増加し、より多様なシステムとの連携が実現できます。ウェブを活用したビジネスをサポートする立場として、さらにウェブ解析力が必要になってきます。私もこれらのGoogle アナリティクスの最新機能を駆使していこうと思っています。
続報として、Cost Data for ROI Analysis、Campaign Managementに加え、2013 年にリリース予定の機能である、お客様のライフタイムバリューを分析するCLV機能、購買頻度や最近の購買状況を分析するRFM機能についても解説します。今後も進化したGoogle アナリティクスのビジネス活用について、新機能をはじめとしてまとめていきます。ぜひ、ご期待ください。
※今回発表された内容は、今後Googleの方針により変更されることがあります。Googleの正式発表をご参照ください。