オフラインでの人々の行動をうまく取り入れる
この「タグ付け」アプリを活用した施策の注目すべき点は、オフラインで何気なく行われている、消費者の普段の活動を取り入れたというところにあります。
まず、ファッション雑誌の読者のコア層というのは、ファッションアイテムに対しての興味が高く、オンラインでもオフラインでもファッション関連商品に対して語りたがっていることが想像できます。その中でもFlairが特に注目したのは、ファッションに敏感な読者は「周りの人が身につけているファッションアイテムに対して、語ったり質問したりしたがっている」という点です。ファッションに敏感な女性ほど、「あなたのそのブラウス、どこで買ったの?」というようなことを口にするものだからです。

このインサイトに対応する形で、「タグ付け」というFacebookユーザーにとってなじみのある機能を、人ではなく洋服やアクセサリーに対して行えるようにしました。タグ付けとファッションアイテムに対するコメントという、それぞれ単体では当たり前のような2つの要素を組み合わせることで、Facebookページ上で、自然にファッションに関する会話を始めてもらうことに成功し、 Flairの読者と雑誌自体、また読者同士のコミュニケーションの促進、さらにFacebookページと雑誌とのインタラクションにもつながりました。

定量的な結果も、このファッションタグ企画をスタートさせて1週間で、Flairのページのファン数は17,000から23,000に、約35%増加しました。また増加したユーザーのデモグラフィックデータは、もともとのFlairのファンと同様に18歳から30歳の女性ユーザーが中心でした。