ローソンの4つのLINEマーケティング施策
ローソンが具体的に行ってきたLINEマーケティング施策は大きく以下の4つだ。
(1)スタンプ
(2)メッセージ配信(月に1~2回)
(3)LINEクーポン
(4)LINE連携アプリとのタイアップキャンペーン(パスタフォトコンテスト)
1、スタンプ
ローソンクルーあきこちゃん、Pontaスタンプの提供によりローソンのキャラクターの認知度アップをはかっている。


2、メッセージ配信
ローソンでは月に1~2回ほど、クーポンをメッセージで配信している。その有名な成功事例としてはLチキが有名だ。2012年8月に150万人にクーポン配布して、約10万個の商品引き換えがあったという。
「10万人のお客さんがが3日間でお店に来てくれると考えると、とてもいい結果ですよね。お店ではクーポンの商品だけ買うのではなく、7割くらいの方はLチキとコーラ、Lチキとおにぎりのように一緒に何かを買ってくれます。ついで買いが起こるんですね」(白井さん)
LINEでのクーポン配信を始めて7か月が経過した現在、クーポンへのユーザーの反応率の変遷をたずねたところ、「今はあえて商材を変えて試している最中。クーポンの引き換え率は商材に依存すると思っています。やはりLINEのユーザー属性から考えても、フライドフーズものなど若い子に人気の安い商品が相性がいいでしょう」と白井さんは語る。
3、LINEクーポン

LINEクーポンとは位置情報を利用したクーポンサービス。LINEクーポンの公式アカウントの友達数は3,870,770人(1月7日現在)。スマートフォンの位置情報を読み込み、最も近い場所のローソンを指す。
「LINEクーポンのアカウントよりも、ローソンの公式アカウント(約560万人/1月7日現在)のほうが友達の数は多いですし、クーポンの引き換え率は公式アカウントから送るほうがいいですね。しかしながら、公式アカウントでは何回もメッセージを配信することができないので、LINEクーポンの利点もありますね」(白井さん)
4、LINE連携アプリとのタイアップキャンペーン
2012年10月にLINE連携カメラアプリ「LINE camera」と初のタイアップとして、「LINE camera×LAWSON おもしろフォトコンテスト」を実施した。

「数百件にのぼる応募をいただきました。商品開発の担当者は非常によろこんでいましたね。その時のパスタの売上も伸びていました。当社としては施策の結果には満足していますね」(白井さん)
目的はO2Oと公式キャラクターの認知度拡大
LINEマーケティングを始めた当初の目標と設定したゴールをうかがったところ、「もともとはO2Oを考えていました。若いLINEのユーザーがローソンの店舗に来てくれればいいな、という目論みでした」と白井さんは語る。
LINEのユーザー数は国内3,700万人を突破(2012年12月12日現在)。日本の総人口は約1億2665万人であり、日本人の3人に1人がLINEでつながる日はそう遠くはないだろう。その利用者属性としては、ユーザーの半数以上が10~20代の若年層であり、都市圏に利用者は多いものの全国各地で広く利用されている。このようなLINEの特徴から、若年層にリーチできるメディアとして、ローソンはO2O施策に活用している。

また、「公式キャラクターの認知拡大も、もう一つの大きな目的」と白井さんは続ける。
ローソンは2012年7月、企業のLINE公式アカウントとして日清チキンラーメンと共に、初めてのオリジナル無料スタンプを提供した。そこではすでにFacebookやTwitterなど様々なソーシャルメディアで活躍している「ローソンクルーあきこちゃん」のキャラクターを使用。
「LINEを始める前に日経デジタルによるソーシャルメディアのキャラクターの認知度調査が行われたのですが、あきこちゃんは1位ではあったものの、全体で20%くらいの認知度しかありませんでした。もう少し認知度を上げたいと思っていたところ、LINEのスタンプであきこちゃんを使いました。今では母校の大学生と話しても、認知度が上がっていることを実感できますね」(白井さん)