媒体横断的にスマートフォン広告の一元管理を実現する「F.O.X」
こうした状況を、CyberZではワンタグ/ワンSDKの導入と、国内・海外とも150社を超える世界最大級のメディア連携数を実現することで解決策を提示している。同社が開発・提供する、スマートフォン広告効果を最適化するトータルソリューションプラットフォーム「Force Operation X」(以下、F.O.X)は、国内初、そして現状では唯一の効果計測テクノロジーによって、スマートフォン広告における全方位測定を可能にした。また、プロモーションニーズに応じた追加機能開発をすぐに実行できる体制を持っているかどうかもポイントとなりそうだ。
中村氏は「特に今、中長期的な広告効果指標のスタンダードになりつつあるLTVを、媒体横断で管理することがカギになる」と指摘する。そのためには、ワンタグ/ワンSDKの埋め込みだけでなく、媒体の連携が不可欠と言える。
媒体横断的にスマートフォン広告の一元管理が可能になると、レポートを一元化することができる。これにより、運用指標に基づいた本当に有効なメディアプランニングができるようになるのだ。
さらに、「ユーザー獲得の瞬間だけを見ていても広告最適化にはつながらない」と中村氏。「メディアによって、すぐに離脱してしまうユーザーと1か月続くユーザーが分かれてきたり、ダウンロードした時点、実際に使われた時点などのどのタイミングでコンバージョンとするかで成果が変わったりもする。ユーザーの重複はもちろん、こうした動向まで加味できる効果測定ツールを活用することが、成否の分かれ目になる」(中村氏)
進化する技術に対応する効果測定ツールを選ぶ
「ここまで、広告“枠”の最適化についてご紹介してきたが、同時に“人”への最適化を考えることも、今後のスマートフォン広告運用では欠かせない視点」と、中村氏は切り出す。その観点からは、リターゲティングやオーディエンス拡張、第三者配信などの手法が非常に有効だ。今後、F.O.Xは1,000アプリを超える導入実績に基づくユーザー行動分析データを、広告配信に活かしていくという。
しかし、前述したCookieの利用不可の問題などがあり、理想的な形で実現するには一筋縄ではいかない。そこで現在、Cookieを利用せずにユーザーを認識しようとする動きが起きつつあるという。
「一つは、フィンガープリンティングを活用する方法。媒体共通のID化が課題にはなるが、Web・アプリの横断的なリターゲティングが理論上は可能だ。二つ目に、Appleが広告主向けに用意しているiOSアドバタイジングIDを活用する方法。こちらは、当然iOSに限られてしまうこと、Web面やWebView内広告のトラッキングができない点が課題になる。そして三つ目は、第三者配信とDMPの組み合わせ。これがもっとも有望だ」と中村氏。
「広告主が得たデータをデータプロバイダとシンクロさせることで、媒体間でのターゲティングが可能になるのでは」と中村氏は今後の展望を述べ、講演を締めくくった。
先に述べたように、2016年には2,000億円を突破すると予測されているスマートフォン広告市場。そしてその急速な市場拡大は、アドテクノロジーの進化が牽引していくと言えるだろう。
2017年までの想定推移・広告商品別広告費など発表!
スマートフォン広告市場調査結果はCyberZホームページに掲載。