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次世代広告コミュニケーションの秘訣

次世代広告コミュニケーションのキーワード「ブランデッド・コンテンツ」って、いったい何だ?

「ブランデッド・コンテンツ」って、いったい何だ?

 では、「ブランデッド・コンテンツ」とはいったい何を指すのでしょうか?簡単に言ってしまえば、「従来の広告という枠」を越えて、なんらかの“コンテンツ”を企画/制作/実施すること、またはその作品/施策です。たとえば、ブランドの価値を高めるために、ソーシャルで話題化されるバイラル・フィルムを作成したり、また夕方のテレビ・ニュースで取り上げられるイベントを仕掛けることもブランデッド・コンテンツと言えます。

 “ブランド”も“コンテンツ”も、よく耳にする言葉ですが、その実態をつかみにくい言葉ですよね。ましてや“ブランデッド”と変化されると、どういうことを指しているのか、どうにも分かりにくいと感じてしまう方が、多いのではないでしょうか。

 私は、今から5年前、2007年12月の日本広告学会全国大会で『クリエイティブの、フロンティアを探る~“広告クリエイティブ”から“ブランデッド・コンテンツ”へ~』と題した発表を行ったのですが、まずは、その時の定義をここでご紹介しましょう。

 ブランデッド・コンテンツとは、「その表現自体が、コンテンツとしての魅力を持ち、なおかつブランドのメッセージをドライブする役割を果たしているもの」あるいは「ブランドのメッセージをドライブする広義の意味でのコンテンツ」です。(この場合の“ドライブする”は、“促進する”といった意味合い。)

 この定義は、どこかで調べて来たものではありません。欧米のカンファレンスで耳にしたり、英語の会話に出て来るニュアンスを、私なりにまとめたものです。

 そもそも、この手の業界用語を定義するのは簡単ではありません。まだ一般化しきれていない新しい動きについては、暫定的に名付けてみて、そうしたら一定数の人が使い始めるというケースが多いのです。だから「どの定義が正しいのか?」と考えずに、「どんな意味合いで使われるのが一般的なのだろう?」という風に考えて、言葉そのものよりも、それが指す中味、それが指す傾向をつかんで、自身の業務にどのように活用できるかを考えることをお勧めします。

 ここ数年の「ブランデッド・コンテンツ」という言葉の使われ方も、まだ一般化しきれていない新しい動きに「そう名付けてみ」たら、使う人が増えて来たという状況だと思います。2007年時点では、打合せでこの言葉を出してもピンと来ない広告代理店のスタッフが多数いました。それがここ2~3年では「いわゆる広告じゃなくてさ、ブランデッド・コンテンツみたいなものも、提案しようよ」みたいに、普通に使われるようになりました。

 “ブランデッド”は、簡単に言えば、“ブランドによる”と考えれば良いでしょう。あるいは、“ブランド化した”とか“ブランドのメッセージを込めた”というニュアンスもあります。“コンテンツ”は、辞書的に言えば、書物や記事の内容物・中味となります。一般的に言えば、書物・記事・映像・ゲームソフトなど、幅広い意味での“企画され実施された事柄一般”くらいの意味と捉えられるでしょう。

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モバイルシフトによりブランデッド・コンテンツが一般化した

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この記事の著者

佐藤 達郎(サトウ タツロウ)

多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論/メディア論)。2004年カンヌ国際広告祭フィルム部門日本代表審査員。浦和高校→一橋大学→ADK→(青学MBA)→博報堂DYMP→2011年4月 より現職。
受賞歴は、カンヌ国際広告祭、アドフェスト、東京インタラクティブアドアワード、ACC賞など。審査員としても、多数参加。個人事務所コミュニケーション・ラボにて、執筆・講演・研修・企画・コンサルなども。また、小田急エージェンシーの外部アドバイザー、古河電池の社外取...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/05/22 10:00 https://markezine.jp/article/detail/17748

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