SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

次世代広告コミュニケーションの秘訣

次世代広告コミュニケーションのキーワード「ブランデッド・コンテンツ」って、いったい何だ?

モバイルシフトによりブランデッド・コンテンツが一般化した

 「ブランデッド・エンタテイメント」という言い方は、ご存じでしょうか?2003年頃、BMWフィルムズのような作品は、そう呼ばれていました。実際、それまでは、ミッション・インポシブルにSONYのバイオが出て来るとか、007にアウディが出て来るとか(これらは、プロダクト・プレイスメントと呼ばれます)、ブランドのために映画に代表されるエンタテイメントをどう活用するか、という狭い視点で語られていました。BMWフィルムズも、発想としてはその延長線上にあるわけです。

 しかし、ソーシャル・メディアやデジタル・デバイスの発達により、“エンタテイメント”という言い方では、つかまえ切れない事例が出てくるようになりました。ツイッターやフェイスブックを活用した施策だったり、プロジェクション・マッピングを用いたイベントだったり、ネット×屋外広告だったり、読者の方も思い浮かぶのではないでしょうか。そこで、より広い範囲を指す言葉として“コンテンツ”が使われるようになり、いまでは「ブランデッド・エンタテイメント」よりも「ブランデッド・コンテンツ」という言い方の方が一般化したということでしょう。

 しかし、今でもエンタテイメントという言い方も一部では使われています。欧米のメガエージェンシーは、例えばJWTエンタテイメント、Ogilvy&Mather エンタテイメント、Wieden&Kennedy エンタテイメントなど、この分野の子会社や部門を持ち始めています。

 冒頭でご紹介したカンヌ国際広告祭(現在はカンヌ国際クリエイティビティ祭に改称)では、2012年に15番目の部門としてブランデッド・コンテンツ(&エンタテイメント)部門が創設されました。ここでは、コンテンツという言葉とエンタテイメントという言葉が並列で使われています。

「ブランデッド・コンテンツ(&エンタテイメント)の定義は、ブランドによるオリジナル・コンテンツの制作、あるいは、既存のコンテンツとの自然な統合だ。その目的は、伝統的な広告の手法を使わずに、ふさわしいコンテンツやプラットフォームを通してコンシューマーとエンゲージし、ブランドのメッセージを伝えることにある。」

 上記はこの部門の紹介文の一部です。わりとわかりやすいですよね。

消費者に受け入れられる広告の秘訣はブランデッド・コンテンツにある

 こうした「ブランデッド・コンテンツ」が注目される背景には、Ad Avoidance(アド・アボイダンス)つまり「広告を避けようとする消費者の傾向」の強まりがあります。そこに、ソーシャル・メディアやデジタル・ディバイスの発達という要素が加わって、いまや、「ブランデッド・コンテンツ」的な作品/施策へのチャレンジは、さまざまな企業によって日常的に行われています。

 次回は、「ブランデッド・コンテンツ」が注目されるようになった背景についてを中心に、引き続きこの話題をお送りします。ご期待ください。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
次世代広告コミュニケーションの秘訣連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

佐藤 達郎(サトウ タツロウ)

多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論/メディア論)。2004年カンヌ国際広告祭フィルム部門日本代表審査員。浦和高校→一橋大学→ADK→(青学MBA)→博報堂DYMP→2011年4月 より現職。
受賞歴は、カンヌ国際広告祭、アドフェスト、東京インタラクティブアドアワード、ACC賞など。審査員としても、多数参加。個人事務所コミュニケーション・ラボにて、執筆・講演・研修・企画・コンサルなども。また、小田急エージェンシーの外部アドバイザー、古河電池の社外取...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2013/05/22 10:00 https://markezine.jp/article/detail/17748

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング