【タワーレコード】LINE@クーポン、10~15%高利用率の店舗も
本セミナーには企業事例として、『LINE@ 公式ガイド』にも掲載されているタワーレコードとパルコから運用担当者を招いた。タワーレコードでは、Facebook、Twitter、Google+とLINE@を使い分けている。同社営業戦略室 デジタルマーケティング担当の宮崎清志氏は、「音楽商材は配信する情報は豊富だが、人によって好みがさまざまなので、アカウントを分けるなど配信内容に配慮している」と話す。
今年1月に開設したLINE@は、大型店舗15店で展開。主にクーポンやセール情報などを提供している。「割引クーポンは、店によって10~15%など高い利用率が上がっている。現在の『友だち』は元々来店している人が中心なので、来店頻度の向上を模索中だが、他のSNSに比べて管理や操作が圧倒的に簡単で、リスクが少ない点は大きなメリット」と宮崎氏は語る。
現在の課題として、新規ユーザーへのリーチや配信頻度・内容の精査、PDCAサイクルの運用などを宮崎氏は挙げる。「新規ユーザー獲得のために、他企業とのコラボレーションや本社からの告知強化に取り組みたい。音楽商材は割引があるからといって無理に買うものではないので、LINE@と他のツールを組み合わせた企画性の高いキャンペーンなども検討している。運用し始めて分かったことも多いので、今後も知見を蓄積していきたい」と宮崎氏は実感を込める。
【パルコ】LINE@を各店舗のローカルニーズに応えるチャネルに活用
続いて、パルコ WEBコミュニケーション部の島袋孝一氏より、同社が全国19の店舗ごとに運用しているLINE@の状況が紹介された。同社は従来からマス広告での宣伝に力を入れているが、近年ではネットやSNSも積極的に取り入れ、徐々にそれらの活用に重きをおきつつある。セールのキャラクター“パルコアラ”とLINEのスタンプアイコンがコラボしたこの夏のセールCMは、関東圏では放映せず、地方局かYouTubeでの配信に限っている。
昨年12月に導入した、全店の告知用の“パルコアラ”LINE@はすぐにユーザー数が伸び、今年5月には公式アカウント化。翌月のスタンプ配信で弾みがつき、約420万人にも上った。「公式アカウントを太い幹、PARCO各店のLINE@は店舗ニーズに合わせたO2O施策を行う枝葉として位置付けて、各店への流入を図っている」と島袋氏。
各店LINE@を使った初の企画として、7月4日から12日まで500円優待券の案内を配信。配信数16万4,000件に対して開封率が36.5%(6万件)、利用率は9.7%で全国に用意した6,000枚がすべて引き換えられた。一部店舗では、開店前に行列ができたという。
「同様の企画を他のメディアで行うのは極めて難しいと思う」と島袋氏は振り返る。「一人1回しか使えないようにできるインターフェースを含め、コスト感もいい。施策ごとの意思決定のスピードや現場との情報共有、インセンティブ設定などが今後の課題」と島袋氏は述べる。