Tips 2 商品カテゴリの表示順を改善して、売上アップ!
ECサイトに表示する商品のカテゴリ、みなさんはどういうふうに表示順を決めていますか? ここでは、売上につながる商品カテゴリの並べ方を、データをもとに考えてみましょう。
まず、売り上げた商品のカテゴリで構成比累計を算出します。以下のグラフを見ると、「婦人服」「バッグ」「靴」「財布」「パスケース」で、全体の売上の70%を占めています。これら上位カテゴリの表示順やリコメンドの優先度を上げることで、売上につなげることを目指します。
    一方、下位のカテゴリについても検討が必要です。あまり売れないカテゴリを細分化すると、食いつきの悪いコンテンツの増加につながり、ユーザーの離脱やコンバージョンしにくいPVが増えてしまいます。カテゴリを見直し、統合できるところは統合することによって、本来見せたいカテゴリに早くユーザーが到達できるよう改善しましょう。
Tips 3 検索結果ページには、何件表示すればいい?
ECサイト、不動産サイト、求人サイトなど、大量の検索結果が表示されるサイトの場合、ユーザーがいったい何ページ目まで見てくれるのか、知りたいですよね。ここで検索結果一覧ページの見られ方について、ABC分析を行ってみましょう。
    上のグラフから、サイト訪問者の70%が4ページまでしか見ていないことがわかります。これとは別に、各ユーザーの行動ログを追って、検索結果ページに商品や物件を何件表示したら詳細画面に遷移する/コンバージョンするのかを調べて、数値を算出しておきます(※)。
この2つのデータをもとに、1ページの検索結果を10件にすればいいのか、15件にすればいいのかを検討します。「なんとなく10件にしてみた」ではなく、数値に基づいた件数をしっかり決めることが重要です。
    この数字を調べるときの考え方ですが、正しく取るのであれば、検索結果一覧ページでの各商品・物件の表示回数のログ、クリックされたログを落とすことで、検索結果一覧ページからのCTRが取れます。また、詳細画面のPVとコンバージョン数で割り戻せば、詳細画面からのコンバージョン率(CVR)が出せます。 これらをつなぎ合わせれば、1コンバージョンあたりの必要な商品・物件の表示回数が出せます。
これらのログ取得環境が整備されていない場合、表示件数に関しては検索結果一覧ページに10件表示している場合にそのページのPVが100PVあったら、1000件の情報が見られていると大雑把に考えることができます。 CTRについては、詳細画面のPVから外部流入分を省き、先ほど出した表示回数(1000)で割り、仮で算出します。あとは上記と同じ流れで算出すれば、CVRが出るので、1コンバージョンあたりの必要な商品・物件の表示回数が出せます。
Tips 4 ユーザー種別によってコンテンツを変える
もし、会員制サイトで、ユーザーの年齢、性別、職種、居住地などの属性が取れる場合は、ABC分析のグラフをセグメントで分けて作成してみてください。見ているコンテンツ、購入している商品のカテゴリに違いがあるようであれば、ユーザー種別によって、コンテンツの表示順、リコメンドの優先順位などを変更することをお勧めします。
    ユーザー属性が取れない場合でも、初めて来訪したユーザー、何度も来訪しているユーザーで分けて作成し、ユーザーの食いつきを調整することができます。
ヘビーユーザーの回遊を把握することは、サイトにとって本当の強みが確認できます。また、ヘビーユーザーが見ているコンテンツ、使っている機能を新規ユーザーにも使ってもらうことで、ヘビーユーザー化させるヒントにもなります。
まとめ
今回は4つのTipsを紹介しました。最後のTips 4については、ABC分析で大雑把に把握し、グラフ化した上で仮説を立て、複数の数値で比較するという、本連載の主要なテーマを網羅しています。
ヒストグラムや構成比累計など、いろんな切り口はありますが、この手順さえ押さえておけば、大きく外すことはないので、あなたのサイトでもぜひ実践してみてください。
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