SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Spring

Owned Media Report~オウンドメディアマーケティング戦略の潮流

「モノを伝えるためにコト作りを重視する」 コーセー『肌極大学』のコミュニケーション戦略

逆転の発想でサイトを位置づけ

 ── 続いて、肌極大学に関して教えてください。どのような目的で肌極大学のようなサテライトサイトが誕生したのでしょうか。その背景と戦略、役割について教えてください。

 まず理解いただきたい点は肌極大学はサテライトサイトではなく、ブランドサイトという点です。

 一般的には、ブランドサイトの1つのコンテンツとしてサテライトサイトが存在しますが、肌極大学の場合、ブランドサイトがサテライトの役割を担い、肌極大学がブランドサイトという位置づけとなっております。

 そのような設計にした理由は、コンテンツを通じてコーセーの考え方やブランドのフィロソフィーを理解していただき、その中で興味を持った方がその後商品情報を得るためにサイトを訪れるという行動の方が、ユーザー視点で見ると正しいのでは? と考えたからです。

 「コト」から私たちを知っていただき、「モノ」を伝えていくというのが肌極大学のコンセプトです。開発段階では商品情報サイトと肌極大学の同時リリースを予定しておりましたが、社内調整等の必要もあり、肌極大学は半年ほど遅れてスタートしました。

 肌極大学でこだわっている点は、緻密なストーリー作りです。当社ブランドの当社のブランド『肌極 はだきわみ』に含まれる100%米由来のエキス「ライスパワー(R)No.11」が、美容にどのようによいのか、米作りから学びます。化粧品原料のルーツをとことん辿っていき、身を持って納得していただくために、原料であるお米にフォーカスしたコンテンツを作り、最終的にはモノ作りにまで落とし込むことがこのサイトの役割です。

 今年2月には肌極大学の入学テストを実施し入学者を選びました。はじめはバラバラな印象でしたが、行動を共にすることで仲間としての意識が芽生えはじめ、情報発信にも積極的になっていきました。そういった思いはオーディエンスにも伝わるものです。結果的には情報が拡散される構造を作ることができました。

 このような取り組みをするにあたって重要な点は、企業・ブランドとしての姿勢を消費者に理解してもらうことだと考えております。その姿勢をより理解していただくために、デジタルを活用しストーリー性を持たせて伝えることが肌極大学の役割です。

田植えから収穫まで米作りを実際に体験することができる
田植え~収穫までを体験することができる

 お陰様で、継続的にトラフィックは向上しておりますので、皆様に共感を得られていると感じています。リピート率も非常に高いサイトになっており、月間10万UUを超えるまでに成長することができました。

次のページ
様々な手段で接点の多様化を実現

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
Owned Media Report~オウンドメディアマーケティング戦略の潮流連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

松矢 順一(マツヤ ジュンイチ)

株式会社アサツーディ・ケイ クロスコミュニケーション局を経て、伊藤忠商事株式会社情報産業部門でデジタルマーケティングを担当し、株式会社ADKインタラクティブ取締役就任。その後、楽天株式会社メディア事業副事業長を経て株式会社Tube Mogul執行役員就任。著書には共著で『次世代広告コミュニケーション』『トリプルメディアマーケティング』。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2013/10/15 08:00 https://markezine.jp/article/detail/18476

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング