逆転の発想でサイトを位置づけ
── 続いて、肌極大学に関して教えてください。どのような目的で肌極大学のようなサテライトサイトが誕生したのでしょうか。その背景と戦略、役割について教えてください。
まず理解いただきたい点は肌極大学はサテライトサイトではなく、ブランドサイトという点です。
一般的には、ブランドサイトの1つのコンテンツとしてサテライトサイトが存在しますが、肌極大学の場合、ブランドサイトがサテライトの役割を担い、肌極大学がブランドサイトという位置づけとなっております。
そのような設計にした理由は、コンテンツを通じてコーセーの考え方やブランドのフィロソフィーを理解していただき、その中で興味を持った方がその後商品情報を得るためにサイトを訪れるという行動の方が、ユーザー視点で見ると正しいのでは? と考えたからです。
「コト」から私たちを知っていただき、「モノ」を伝えていくというのが肌極大学のコンセプトです。開発段階では商品情報サイトと肌極大学の同時リリースを予定しておりましたが、社内調整等の必要もあり、肌極大学は半年ほど遅れてスタートしました。
肌極大学でこだわっている点は、緻密なストーリー作りです。当社ブランドの当社のブランド『肌極 はだきわみ』に含まれる100%米由来のエキス「ライスパワー(R)No.11」が、美容にどのようによいのか、米作りから学びます。化粧品原料のルーツをとことん辿っていき、身を持って納得していただくために、原料であるお米にフォーカスしたコンテンツを作り、最終的にはモノ作りにまで落とし込むことがこのサイトの役割です。
今年2月には肌極大学の入学テストを実施し入学者を選びました。はじめはバラバラな印象でしたが、行動を共にすることで仲間としての意識が芽生えはじめ、情報発信にも積極的になっていきました。そういった思いはオーディエンスにも伝わるものです。結果的には情報が拡散される構造を作ることができました。
このような取り組みをするにあたって重要な点は、企業・ブランドとしての姿勢を消費者に理解してもらうことだと考えております。その姿勢をより理解していただくために、デジタルを活用しストーリー性を持たせて伝えることが肌極大学の役割です。
お陰様で、継続的にトラフィックは向上しておりますので、皆様に共感を得られていると感じています。リピート率も非常に高いサイトになっており、月間10万UUを超えるまでに成長することができました。
