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Owned Media Report~オウンドメディアマーケティング戦略の潮流

「モノを伝えるためにコト作りを重視する」 コーセー『肌極大学』のコミュニケーション戦略

量より質を重視

 ── 認知拡大のための広告投資については取り組まれたのでしょうか。多岐に渡るコンテンツが揃っておりますので、テレビなどへの露出でさらにユーザーが集まると思います。

 接点を通じて興味を持っていただけた方々だけに、サイト来訪・再来訪していただきたいため広告投資は行っておりません。数値だけを求めるのであればおっしゃる通り広告を投下すれば達成できると思います。しかし、肌極大学は量よりも質を重視したいと考えております。コアファンの方々の口コミから、じわじわと広がっていっていただく形を狙っておりました。

 その理由の1つは、スキンケア商品の場合、瞬間的な売上よりも継続して使っていただくことが重要で、より継続的なお付き合いができる関係を作りことが大切だからです。そのため、モノ(商品情報)だけではなくコト(コミュニケーション)と連動した施策が重要になります。肌極は昨年11月に発売以来、売上もコンテンツの量と相関しながら向上してきている段階です。

 ── Facebook活用についてはいかがでしょうか。肌極大学サイトへの誘引のほかにどのような目的があるのでしょうか。

 Facebookページのいいね!数は2,300~2,400程度ですが投稿への反応は非常に高く、4%程度を維持しております。他ブランドに比較しても1記事に対する反応率は高いですね。

 Facebookは送客装置の役割というよりもPCサイトに頻度高く訪問することが難しいユーザーへのアプローチ手段として利用しています。つまりFacebookは補完的な役割であり、時間がある時にPCサイトでじっくり閲覧していただくきっかけ作りの一環ということになります。

デジタルは会社の姿勢を伝えるための道具

 ── 最後に肌極大学の今後の取り組み、目標について教えてください。

 まず、肌極大学は現状の役割を来年度で終えます。ただし、その中のユーザー参加型コンテンツで肌極の原料をみんなで作る「米づくり」は規模を拡大して今後も継続して行く予定です。今までよりもさらに、コーセーの自然の恵みをいかした商品に対する取り組みが、世の中に伝わるように継続していこうと思っております。

 今後の目標は、ブランドへのファンを増やし拡販していくこと、会社の姿勢を伝えることの2つを考えています。ファンを増やし拡販につなげるために、来年は肌極大学と商品情報サイトを一緒にする計画でおります。

 商品情報サイトに肌極大学を追加するのではなく、主はあくまで肌極大学で、その中の1コンテンツとして商品情報があるという構造を目指しています。先にも申し上げましたが、消費者に商品を手に取っていただくためには、コトを通じた世界観に対する共感も非常に重要な要素だと思っています。今後は肌極大学をテレビCMや店頭プロモーションなどのリアル接点でも活用するような企画も構想中です。さらに認知を獲得することで、まずは100万ユーザーへチャンレジしたいと思っております。

  一方で肌極大学という括りだけでデジタルを捉えたくはありません。私たちはデジタルを会社の姿勢を伝えるための道具として捉えています。最終的なゴールは、コーセーは消費者のことを真摯に考えているメーカーなんだということがしっかり伝えることだと思っております。

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この記事の著者

松矢 順一(マツヤ ジュンイチ)

株式会社アサツーディ・ケイ クロスコミュニケーション局を経て、伊藤忠商事株式会社情報産業部門でデジタルマーケティングを担当し、株式会社ADKインタラクティブ取締役就任。その後、楽天株式会社メディア事業副事業長を経て株式会社Tube Mogul執行役員就任。著書には共著で『次世代広告コミュニケーション』『トリプルメディアマーケティング』。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/10/15 08:00 https://markezine.jp/article/detail/18476

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