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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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Owned Media Report~オウンドメディアマーケティング戦略の潮流

デジタルとリアルを紐付けお客様の行動を一気通貫で把握
日産自動車のワン・トゥー・ワン戦略

JUKEキャンペーンの狙い

 ── 御社の場合、早くからデジタルキャンペーンに取り組まれていた実績もあり、今年は「VOICE DRIVER」でカンヌグランプリPR部門グランプリ銅賞を受賞されています。現在、もしくは今後スタートするデジタルキャンペーンについて教えてください。

 現在(2013年9月取材時)、最も力を入れているのは今年の8月19日にマイナーチェンジした「JUKE(ジューク)」という車種です。

 ディーラーへ来店されたお客様のアンケート結果から、JUKEに興味を持つお客様はWebをきっかけとして来店する割合が高いということが分かっておりました。また、オンライン上でバナー広告を出稿した際のCTRも他車種に比較して高いという結果がでており、JUKEはデジタルと相性のよい車種という傾向がでておりました。

 その結果、メディア横断チーム・車種マーケティングチーム双方の立場から、この車種はデジタルキャンペーンをしっかり展開していこうという方向性が決まりました。デジタルを活用したディーラー送客策として、シミュレーターによる送客とインセンティブによる送客という2つの施策を行っております(現在は来店インセンティブは終了)。

 まず、シミュレーターによる送客についてですが、JUKEはお客様が様々な色やパーツを選んで自分好みの車を仕立てられるという、パーソナライズパッケージという取り組みでの販売が決まっておりましたので、個々の興味を反映できる仕組みとして、今までにないカスタム可能なシミュレーターを作りました。

 色・パーツ・グレードを変えられるシミュレーターで、通常のシミュレーターよりもエモーショナルで数十分遊べるような完成度のものを作りました。カラーだけではなく、グレードやオプションなども明記されるような仕組みになっています。

 そして自分で作ったカスタムデザインをPDF出力し、そのままディーラーへ持ちこめます。ユーザーはディーラーでそのPDFをカーライフアドバイザーへ見せれば、自分のほしい車を一言で伝えることができます。従来だとディーラーでカタログを広げ、欲しいグレードやオプションを選択し、その場で見積もりを提出という段取りとなりますが、その手間を省いてユーザーの利便性を高めたのがこのシミュレーターです。

 次に試乗インセンティブについてですが、『スター・ウォーズ』とコラボレーションし、試乗した方の中から1,919名様にレッド・ストーム・トルーパーフィギュアをプレゼントしました(現在は終了)。ファンにはたまらない、日産オリジナルのレッド・ストーム・トルーパーフィギュアをインセンティブとして、ディーラーへの送客を促しました。

 ── かなり力が入ったキャンペーンですね。クロスメディアの観点からだと、どのような施策を展開されたのでしょうか。

 テレビ広告とデジタルのコミュニケーションを立体化した告知プロモーションを行いました。まずテレビ広告でサイト訪問を促すのですが、サイト側にはTVCMのバックストーリーとなるコンテンツを準備しておきます。サイトを閲覧するとTVCMで伝えたかったストーリーがつながる立体的な展開にしております。なぜストーム・トルーパーが赤いのか、赤いストーム・トルーパーは何を表しているのか、私どもが伝えたかった「没個性から個性の主張」というメッセージを伝えることがゴールです。

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この記事の著者

松矢 順一(マツヤ ジュンイチ)

株式会社アサツーディ・ケイ クロスコミュニケーション局を経て、伊藤忠商事株式会社情報産業部門でデジタルマーケティングを担当し、株式会社ADKインタラクティブ取締役就任。その後、楽天株式会社メディア事業副事業長を経て株式会社Tube Mogul執行役員就任。著書には共著で『次世代広告コミュニケーション』『トリプルメディアマーケティング』。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/11/20 08:00 https://markezine.jp/article/detail/18610

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