美肌県グランプリがもたらす2つの効果

── 行動デザインに基づき郷土愛をコンセプトに競い合う仕組みを取り入れることで、ポーラレディの方々のモチベーションを向上させ、さらにパブリシティ効果で情報発信力を最大化してターゲット層に情報を伝えたということでしょうか。
まさにその通りです。新聞広告は、エリアごとにコピーを変えて地元の人たちに響く内容で訴求力を向上させています。
例えば2012年の愛知県の広告では「3英傑を育てた地」という言葉を使っていますが、全国的にはあまり知られていないものの愛知県民のみなさんにとっては誇りであり、この言葉に対して地元では共感意識があります。ポーラレディの視点からみると、自分のエリアだけの独自広告が掲載され、オウンドメディアでは県別ランキングが出ている状況で、他エリアのポーラレディに負けられないという競争意識が芽生えます。
お客様へのセールストークにも幅が出ますし、お客様がスキンチェックへ参加する理由づけにもできます。このように通常の広告宣伝におけるコミュニケーションと、ポーラレディにみなさまに対するインナーマーケティングという2つの効果を狙っておりました。
左上:全国版、右上:愛知版、左下:秋田版、右下:北海道版




2012年の美肌県グランプリと波及効果
── なるほど。エリアマーケティングも加味したクリエイティブで能動接触を促しているのですね。昨年のキャンペーンはどのような反響があったのでしょうか。
「いい皮膚の日(11月12日)」にあわせて昨年グランプリの発表を行ったところ、驚くほど大きな反響をいただきました。テレビ局、新聞社、出版社、デジタルメディアなどメディアの方々に美肌県グランプリの取材をいただき、広告換算では約4億2千万円ほどの露出ができました。山陰地方の肌環境がよいことは今までの肌データからわかっておりましたが、メディアの皆さんからすると大きな驚きがあったようです。
メディアだけの反響ではありません。各エリアでの反響もありました。例えばグランプリになった島根県からは、弊社に島根県から感謝の言葉を頂いた上に、しまねっこちゃん(島根県観光キャラクター)と共同のイベントを実施するといった波及効果もありました。
2012年グランプリというフックを利用して、「美肌県」ということで食や温泉などの施設とリンクさせながら観光客誘致に活用されていました。そこで、美肌メニューと島根県の特産物のコラボレーションイベントを展開し、テレビなどで取り上げられるなど、島根県としては観光誘致への効果、私どもは美肌県グランプリを訴求できるという双方メリットのある形で広げることができました。私どもの活動が、地域活性にも貢献できたのではないかと自負しております。
また、各メディアやキャンペーンサイトを見てポーラレディも「テレビでやっていた~」などと店頭でのセールストークに活用されていたようです。