カンター・ジャパンは、放映される前のテレビ広告を評価する「リンク(Link)調査」を提供しており、今回「有名人を起用した広告」について国内外の違いを分析した。この調査は、日本ではカンター・ジャパン、日本以外ではグループ会社のミルウォード・ブラウン社が実施するもので、日本の場合は主に大手の(耐久)消費財メーカーが出稿する広告が中心となっている。分析の対象としたデータの期間は2010年から2013年2月。分析はミルウォード・ブラウン社が行った。
今回、カンター・ジャパンが扱ったテレビ広告のうち、有名人を起用したものの割合は以下のようになる(日本は約700件の広告)。
アジア圏は「有名人を起用したテレビ広告」の割合が全般的に高い。とくに日本の56%は、調査を実施している国の中では最も高い数値となっている。一方、アメリカ、イギリスなどは10%程度で、それほど高くない。
次に、「有名人を起用したテレビ広告」のうち、国内の有名人を起用したものと海外の有名人を起用したものの割合を示したのが以下の図だ。
日本や韓国では、国内の有名人を起用した広告の方が圧倒的に多く、イギリスやアメリカでは、国内・海外の有名人ともに起用率はあまり変わらない。今回の調査で、日本ではテレビ広告で有名人を起用する率が他の国よりも高く、その大半は自国の有名人ということが言える。
ミルウォード・ブラウンは、総合的に見ると、「有名人を起用したテレビ広告」の方がそうでないものよりも効果が高いとか、海外の有名人を起用する方が自国の有名人を起用するよりも効果が高いと言える決定的な差異は観察されていないとしている。ただし、国によっては、海外の有名人の方が消費者の目を引く効果があったり、国内の有名人の方が消費者に製品・サービス(ブランド)のメッセージを伝える効果があるなど、わずかではあるが、効果に違いを認められる場合はあるという。
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