音楽ストリーミングの可能性
音楽ストリーミングは、来年もさらに注目を集める分野になります。日本でも今年は「サブスクリプション」や「音楽ストリーミング」「Spotify」「Pandora」などの言葉をIT系メディアだけでなくYahoo!ニュースなど一般の人も目にするメディアでも見かけるようになったことは驚きでもあり、これほどまでに音楽サービスが注目されてきていると言えます。
海外に目を向けると、グローバル企業が相次ぎ参入しています。主なところでは、アップルが「iTunes Radio」、グーグルが「Google Play Music All Access」とYouTubeの定額制サービス、マイクロソフトは「Xbox Music」を立ち上げました。このことからも音楽ストリーミングは、消費者とビジネス/製品/サービスにつなぐエコシステムを作るためのプラットフォームとして大きな可能性を秘めていると感じます。
音楽ストリーミングサービスはモバイル視聴が伸びており、従来の広告に代わって消費者へリーチする上で重要なプラットフォームになりつつあります。さらに、コカ・コーラなどのブランドは消費者とのつながりを構築するために、SpotifyのAPIや音楽アプリを活用した連動型マーケティングを実施するなど、世界的に音楽サービスのマーケティング活用はすでに動き出しています。このような動きは来年以降さらに加速していくことでしょう。
これらの音楽ストリーミングを使ったブランディング事例は、こちらの記事をご覧ください。
加速するモバイルでの音楽消費
調査会社IDCは、2013年のスマートフォン売上台数は2012年から39.3%増加し、10億台を超える見込みと発表しています。これまでインターネットと無縁だった人たちもスマホやタブレット普及のおかげで、ネットに、世界につながることが可能になりました。
Spotifyは今月、タブレットとスマホでも無料で音楽が聴ける画期的なオプションを発表しました。同じようにグーグルもYouTubeアプリをモバイル・フレンドリーに改善しています。これらの動きから明らかなことは、企業はモバイルでの新規ユーザーを拡大させ、音楽視聴時間を増やすことに注目しているということです。端末のスペック以外でも、機能性やUI、クリックのしやすさ、コストも含めた使いやすさが改善されていく中で、いかにモバイル体験の付加価値を最大化し消費者に提供できるかを考慮した戦略を作ることが、クリエイターにとっても音楽マーケティングを進める企業にとっても今後は重要になってきます。
2014年はますますデジタルと連携した音楽マーケティングが本格化し、世界の主流となっていくでしょう。つまり、旧来の音楽ビジネスのルールを覆す必要性がますます求められます。消費者目線でオーセンティックなブランドの価値観を共有し、中長期的なエンゲージメント構築を目指した音楽マーケティングが日本でも実現していくことに期待して、2013年のまとめにしたいと思います。