アニメのコンテンツを選んだ理由
── スマートコミュニティサイトにある「Double Circle」というアニメコンテンツも、インバウンドマーケティング視点に立ちユーザーが受け入れやすいアニメーションを選んだということでしょうか。

スマートコミュ二ティとは街づくりと同義語です。街づくりは10年、20年という長期的視野で考えるものであり、そう考えると今の10代、20代がキーパーソンになってきます。その世代に東芝がスマートコミュニティ事業を推進しているという認知度は低いので、まずは知っていただく必要があります。
さらにアニメは日本だけでなくアジアをはじめ海外でも訴求力があります。またアニメのキャラクターを利用し、別の軸でコンテンツを作ることも可能です。キャラクターを利用してアジア圏でのコミュニケーション展開も考えています。キャラクターを広げるための入り口がアニメという位置づけです。
「Double Circle」ではまずキャラクター決めを行いました。川崎市と東芝でスマートコミュニティの実現に向けた協定の締結や、東芝スマートコミュニティセンターを川崎へ開所するタイミングでもあったので、舞台を川崎に決めました。

── 制作会社ありきのアニメではなく、キャラクターやシナリオを自社設計した上でコンテンツ開発をしたのですね。
そうですね。企画制作総指揮をしました。声優陣は素晴らしい方々にご協力をいただき、キャラクターデザインにもこだわりました。WEBアニメですが通常のTVアニメ同様にメディアで紹介いただいております。
魅力的なコンテンツを作る秘訣
── オウンドメディアと連携させるソーシャルメディアを選ぶポイントはなんでしょうか。

ソーシャルメディアは利用してみないとわからないので、自分がユーザーとして使い、次に企業として使います。商材やターゲットにより異なると思いますが、利用した上での効果検証が大切です。その上でどのソーシャルメディアに注力するのかを検討します。「スマートコミュニティ」サイトでいうならば、LinkedInとSlideShare、Google+の効果が高かったので、これからさらに注力する予定です。
── 魅力的なコンテンツ作りの秘訣、これからについて最後に教えてください。
企業視点だと保守的になりがちですが、ユーザー視点では有益で刺激のあるコンテンツが欲しいはずです。よって、ユーザー視点で欲しい、楽しいコンテンツを作ることが大切だと考えています。
オウンドメディアの定義が拡大している状況の中、会社や業種、担当によって捉え方が異なってきていますので社内でも話がかみ合わないことがあります。もちろん相互理解を深めつつ、一般的な定義に捉われない柔軟な発想も大切だと感じています。デバイス・メディアが増える中、広告だけでなくユーザーのためのテクノロジーも飛躍的に進化しています。常にユーザー視点に立ったオウンドメディア運営を心掛けていきたいですね。
そして、変化が激しい環境だからこそ、固定概念に捉われずに積極的に新しいパートナーと組んでいきたいと思っております。成功と失敗を繰り返しながら実施して学ぶことが一番大切なのではないでしょうか。実施しないと分からないことが多いのでどんどんチャレンジしていきたいですし、みなさんにもチャレンジしてほしいですね。