3.ディレクター:体験としてのサービス設計に責任を持つ
Web業界では、ディレクターの役割は「進行管理」と捉えられがちです。もちろん、決まった仕様どおりにサービスを納品することは大事なのですが、愛されWebサービスとして機能させるには、それだけでは務まりません。
大切なのは、「演出」ができること。サービスをユーザーに知ってもらう、使ってもらう、友達に紹介してもらう、そして飽きて使わなくなるまで。その流れをイメージし、体験としてのサービス設計に責任を持つことが大事な役割だと考えています。そうすると、UX周りはデザイナーに任せっきりにせず、自然と一緒に考えるようになるのではないでしょうか。
また、チーム全体とのコミュニケーションを一番取るポジションになるので、買い出し、飲み会のセッティングまでやることもあります。気配りやさんですね。チームに穴があったら全部埋めるくらいの立ち位置でいると、プロジェクトを上手くまわすことができるのではないでしょうか。
ちなみに、僕は最初デザインやプログラムの知識がほぼゼロの状態からディレクターになったので非常に苦労しました。基礎知識がないとチームとのコミュニケーションが取れないんですね。無茶ぶりしてはデザイナーからはそりゃ大変だよ、と言われ、エンジニアからは「できない」の一点張りでよい代案も引き出せず。そんな時は、彼ら、つくる人をひたすらリスペクトし、勉強しましょう。
ディレクターの方には、一緒に仕事をしている和田裕介さんのこの記事が参考になります。もちろん、自分でデザインをしてみたり、コードを書いてみることもオススメですし、なにより楽しいです。
4.プロデューサー:社内外を調整し、ビジネスとして着地させる
プロデューサーは、プロジェクトの統括や、予算を含めたビジネス面を担当することが多いです。ディレクターがサービスの「演出」を担当する場合、プロデューサーは「ビジネス面」を担当する相方と言えるでしょう。
制作チームや企業側のこだわりを活かしながら、現実的に着地することが求められます。いわゆる、社内外での調整力が強いプロデューサーは本当に頼りになります。
僕も両者を兼ねる場合がありますが、ものづくりとビジネスが反発することも多いので、その際は人格を分けています。
5.マーケター:サービスが自己拡散する仕組みを整える
サービスやチームも規模が大きくなってくると、専門のマーケターがつく場合もあります。ここで大切なのは、サービスが出来上がってからマーケターをチームに加えても遅いということ。サービス自体が自己拡散できるような仕組みを整えるのが、今の時代のマーケターが持つ魔法だからです。出来たサービスをこれまで通り、決まった予算内の広告費で広めるだけでは、思った効果は得られないでしょう。
そのためには、通常のマーケティングのスキルに加え、TwitterやFacebook、LINEを始めとするソーシャルメディアでのバイラル設計のノウハウや、コンテンツの中にマーケティングの仕組みを融合させる手法の理解を持っていることが理想です。
以上が、僕が理想とするチームメンバーです。
次回は、社内にいないポジションを、どのように集めるか、また、これはNGな代理店や制作会社との付き合いかたについて書いてみたいと思います。