カスタマーレビューマーケティングを実現する「Bazaarvoice」
3番目の講演を担当したのは、エクスペリアンジャパン マーケティングソリューション営業部 マネージャーの古瀬智志氏だ。エクスペリアンは世界各国でデータや分析ツールを提供しているグローバルな情報サービス企業で、国内においてはMailPublisherシリーズなどメールを中心に5,000件以上の導入実績を持つ。その同社が2013年8月に提供を開始したサービスが、カスタマーレビューソリューション『Bazaarvoice』である。
Bazaarvoiceはカスタマーレビューを容易に展開できるサービスであり、すでに2,000件以上の導入実績がある。エクスペリアンジャパンでは、Bazaarvoiceの導入支援サービスを展開しており、企画から収集、検証のそれぞれのフェーズにおいて導入企業をサポートする体制を整えている。
また、Bazaarvoiceの機能は極めて多彩だ。カスタマーレビューの投稿と表示はもちろん、商品詳細ページ内で質問や回答を共有するQ&Aソリューション、レビュー経由の売上やコンバージョンレートまでも計測できる分析機能、そしてこのプラットフォームは顧客のロイヤリティ向上を目指すアドボカシーマーケティングのために利用することができる。さらにカスタマーレビューでは画像や動画を投稿できるなどリッチ化が進められているほか、管理画面でデザインを変えたり投稿時の質問項目を増やしたりといった調整が可能というカスタマイズ性の高さも特長だ。
そして「レビューの有人監視を代行する仕組みが提供されていることも、Bazaarvoiceの大きな特長」と古瀬氏は述べる。たとえば不適切な内容が投稿された場合、有人監視を行っているモデレーターによってタグ付けが行われてアラートを発信するといったことができるのだ。
ECサイトの導入効果、平均で1回あたりの売上高が9割以上アップ
その効果について、古瀬氏は「Bazaarvoiceを利用しているECサイトの導入効果を平均すると、コンバージョン率が78%向上したほか、購入金額も7%、1回の訪問あたりの売上高は93%も増加しています。現状では有人監視や分析機能など多彩なサービスをもつBazaarvoiceと比較して、国内に競合サービスはなく、海外を見てもBazaarvoiceに匹敵するサービスはありません」と語る。
さらに古瀬氏は、実際にBazaarvoiceを導入した企業の1社である、イギリスのfigleaves.comの事例を紹介。顧客へのサイトへの参加促進とカスタマーレビューによる安心感の醸成とその後の購買におけるロイヤリティの向上、そしてコンバージョンと売上の向上を狙いとしてBazaarvoiceを導入し、大きな成果を得られたという。
「同一商品でカスタマーレビューの掲載有無を比較すると、12.5%もCVRが高いという結果が出ました。また導入前後の全体平均のCVRを比較すると、導入後は以前よりも35.27%も上昇していることもポイントです。ちなみに、カスタマーレビューが入っていない商品のCVRへの悪影響がないことも確認できています」(古瀬氏)
カスタマーレビューの導入を検討している企業の多くが不安を感じていると思われる、ネガティブレビューについても言及。そもそもネガティブレビューは全体から見ると多いとは言えず、また改善のきっかけを得られることを考えればベネフィットでもあるとした上で「お客さまの不満に理解を示し、問題解決につながる姿勢を示すことが大切」だとアドバイスを送る。
このように、豊富な実績を背景とした古瀬氏からの実践的なアドバイスに、この日詰めかけた多くの聴衆が熱心に耳を傾けていた。