はじめは3人でスタート
開始当初は、私とネットメディアの記者出身でメディア運営の勘所が分かる藤村、そして変化球記事担当の「あーみん」の3名でスタートしました。「オウンド」というからには、外部に委託するのではなく自分たちでコンテンツを作っていくことが重要だと考えたからです。
藤村は当時「サイボウズLive」のプロモーション担当との兼務。ライターやカメラマンとのやりとりの指導(こんなことすらノウハウがなかったのです……)、原稿チェックなどを中心に作業をしてもらい、実質的には私とあーみんの2人で全力投球、という状況でした。
そこから、徐々に手応えを感じて来たため、広報グループから2名来てもらい、広報としてのノウハウや人脈を活かした記事制作など活動の幅を広げながら現在に至ります。直近では、インターンの募集も開始したため学生を含めた7名で運営しています。

編集部のコミュニケーションは、グループウェアを徹底活用
サイボウズ式は、個々の編集者が得意テーマを決め、それに沿った記事を制作していくスタイル。全員が集まっての編集会議は週に一度、90分ほど開催していますが、基本的にはグループウェア上の編集部用スペースでさまざまなトピックについて話し合っています。
ネタは思いついたときにグループウェア上でシェア。ここは、グループウェアメーカーとして強いこだわりがあり、席が隣同士でも、とにかくグループウェア上でネタ出しから、記事の反響についての意見交換、他社とのコラボ企画やイベント準備などありとあらゆるトピックをやり取りします。
こうすることで、あとで企画・制作の経緯を振り返りやすいですし、ワークスタイルの違いで会社にいない人とも意思疎通ができます。人事異動や新人が入って来た際にも経緯やノウハウを共有しやすく、とかくリソースの少ない企業のオウンドメディア運営上、手間をかけずに即戦力化していく上でとても重要なポイントです。
開設当初、記事の更新は隔週一回が精一杯でしたが、今では完成原稿の在庫ができるぐらいになり、いつどれを公開するかメンバー間で日程調整が必要なくらいにまでコンテンツ制作能力が成長しました。
PVはあくまで結果指標であり、それを増やすことは目的ではない
ただ、私たちはまだまだ編集スキルが低く、記事のクオリティ向上に時間がかかるため、頻繁な記事公開は目的としていません。
効果測定は、主にページビュー(PV)、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアでの反響を確認しています。ただし、あくまでも結果指標として追いかけているだけです。コンテンツの質を高める努力はしていますが、自社サイトのPVやソーシャル指数(RTや「いいね!」数など)を無理に上げるための努力はほとんどしていません。
なので、「BLOGOS」や「ハフィントンポスト」、ITmediaの「誠Biz ID」など他媒体への転載も積極的に行っています。むやみにPVを追いかける考え方は、むしろ私たちのオウンドメディア運営においては害悪だと考えています。