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踊り場企業だからわかる「オウンドメディア」の本当の価値

オウンドメディアは「伝える」と同時に「聞く」場でもある。「サイボウズ式」誕生秘話と現在の編集体制を大公開!

オウンドメディアは「伝える」と同時に「聞く」場でもある

 サイボウズ式の運営目的、それは以下の2点に集約できます。

1. サイボウズがどのような企業姿勢を持つ会社かという理解を通じた認知度の向上
2. 仕事にまつわる悩みがいまの時代はどこにあるのかを探る

 私たちは、オウンドメディアは「伝える」と同時に、「聞く」場でもあると考えています。PVを水増しするようなページ分割や、記事誘導のための広告出稿などを行えば数字は上がるかもしれません。しかし、それだけを追いかけていると、記事に対する読者の反応が見えにくくなります。サイボウズという会社がビジネスを行う上で最も知りたいこと、すなわち「仕事にまつわる悩みがどこにあるのか」を知ることができません。

 私たちは純粋に読者からの反響をもとに記事を作ったり、プロモーション施策を考え実行しています。最近公開したこちらの記事は、そうした方針がうまく機能した成功事例です。

 「「籍を入れるまでの理由が見当たらん!」 ジェーン・スー×田中俊之、
 "未婚の理由"と"男のしんどさ"を深堀りする

ヴィジュアルデザインはインハウスのデザイナーが手掛けました。大変好評です。
ヴィジュアルデザインはインハウスのデザイナーが手掛けました。大変好評です。

 ジェーン・スーさんは、TBSラジオ『ジェーン・スー相談は踊る』や『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』といった本でご存知の方も多いと思います。一方、田中俊之さんは、武蔵大学社会学部で「男性学」について研究している方。この組み合わせを聞いただけでもワクワクしていただけると思うのですが、おふたりの対談は、昨年公開したこちらの記事がきっかけでした。

 「少子化が止まらない理由は「オッサン」にある?-「男性学」の視点から「働き方」を考える-

 この田中先生とサイボウズ社長の青野の対談記事を、ジェーン・スーさんが今年1月にご自身のFacebookで紹介してくれていたのです。

 

 この予期せぬ反応。うれしい気持ちはさておき、まずこのコメントをグループウェアでシェア。「田中先生とジェーン・スーさんに対談していただけると面白そうだね」と話し合っていました。頃合いをはかって調整を進め、とんとん拍子で対談が実現。今回の記事が完成したのです。 

 そしてこの記事も「殿堂入り」する大きな反響を頂き、このテーマが世間では大きな関心をもたれていることを再確認しました。

 

 この流れは偶然生まれた訳ではなく、もともと狙っていたものでした。 上の図は前述の企画書でコンテンツ制作の理想として描いていたサイクルです。世の中の話題や関心に沿ってコンテンツを作った後、発信して、傾聴して、またコンテンツ作りに活かす。こういうサイクルでサイボウズ式を運用していきたい、というイメージを表した図です。

 こうすることで、私たちサイドの、独りよがりでない、よりターゲットインサイトに基づいたコンテンツ制作ができるのではないかという期待がありました。 実際、今回の対談のテーマとなった「結婚」について、編集部ではさらなる取材やプロモーション企画を練っているところで、ひとつの記事からまた新たな記事が生まれるといった動きにつながっています。

今回のまとめ

成熟市場における顧客インサイトを知ることはなかなか難しい。アンケートやグループインタビュー、顧客観察などの手法はいずれもコストとリソースがないと不可能。
それを、ネット上で手軽に反響を知り、深堀りポイントのきっかけをつくることができるツール、それがサイボウズにおける手段としての「オウンドメディア」である。

 次回は、事業ステージに応じたプロモーションの変化とサイボウズ式の今後についてお話しします。

大槻幸夫氏が「スクー」に講師として登場!  

オンラインの学校「スクー」で、8月13日(水)、大槻幸夫氏が生放送で講義を行ないます。

サイボウズに学ぶ「事業ステージによって変化する広報・プロモーション戦略」
8月13日(水)21:00~22:00

「オウンドメディア」 「動画マーケティング」など、次々と登場する新しいプロモーション手法に
踊らされていませんか? 効果的な施策を考える上で一番大切なのは 「どんなやり方で伝えるか」
ではなく「何を伝えるべきか」です。興味のある方は、ぜひご覧ください!

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この記事の著者

大槻 幸夫(オオツキ ユキオ)

サイボウズ株式会社 ビジネスマーケティング本部
企業ブランドマネージャー 兼 サイボウズ式編集長 兼 サイボウズLiveプロダクトマネージャー

大学卒業後、知り合い2人とともに株式会社レスキューナウ・ドット・ネットを創業。プロダクト企画と営業を主に担当。2005年にサイボウズ株式会社に転職。以来、マーケティングに従事。2010年、ソーシャルコミュニケーション部長就任。
2012年5月、オウンドメディア「サイボウズ式」のスタ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/08/11 10:00 https://markezine.jp/article/detail/20518

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