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田舎者であまのじゃく~話題化するコンテンツ発想法~

僕がGoogleと戦うことをやめたきっかけ “広告”ではなく“コンテンツ”を作るということ


思いついた“続きは挙式で!”

 その当時、ケータイ小説が流行っていて、それを通して模擬挙式イベントに参加してもらう“目的”をつくれないかと考えました。

 もちろん、ただのケータイ小説を作ってもしょうがありません。

 目的は模擬挙式に人を呼ぶ事です。そこでそのケータイ小説をベースに3つの設定を新たに加えました。

3つの設定
  • あるカップルの結婚式までの物語…結婚式を控えたカップルそれぞれに、結婚までのドラマがあるように、この小説の主人公にも結婚までの紆余曲折のストーリーが…。そんな2人の結婚式までのドラマが、毎週綴られます。
  • クライマックスはリアルな結婚式…主人公ふたりの結婚式は、実際に予定されています。もちろん、あなたも参列者として参加することが可能です。しかし、結婚までのストーリーはふたり次第。はたして、二人は無事、結婚式を挙げることができるのでしょうか…。
  • リアルタイムに共感できる、二人の心情…また主人公のカップルふたりはそれぞれ、リアルタイムにブログを綴っていきます。お互い知ることのできない、それぞれの心情を、私たちはこっそり見ることができるのです。

 物語は、結婚式が決まっているカップルのお話。その結婚式までの紆余曲折のストーリーが毎週更新される。その間も2人はブログを書いていて、ストーリーと同じ流れでお互いの心情を覗き見できる。最終的にはその結婚式にも参列できる。という仕組み。

 小説のストーリーも予定されている挙式の直前で波乱の展開に。当日どうなるか知りたい方は是非、挙式に参加してみてくださいという、まさに“続きはWebで!”じゃなくて、“続きは挙式で!”方式(笑)ケータイ小説という物語を通して、模擬挙式に来てもらう“目的”をつくろうと思ったのです。

 実はそれ以外にもうひとつ、この企画で実現したいモノがありました。

 それは、「感情移入できる模擬挙式をつくる」ということです。

 模擬挙式って通常は知らないモデルさんが名前の通り“模擬の”挙式をするわけですよね? しかし、そこには形式や段取りだけの挙式があるだけで感情が動くことはない。

 でも、模擬挙式を通じて「ああ、やっぱ結婚ってステキだな~」と感じてもらえたら、それはそれでちょっと違った模擬挙式になるんじゃないかと。

 それを一番感じるのって、友達や親戚の結婚式に参列した時だと思うのです。結婚するふたりの今までのストーリーを知っているからこそ、感情移入できる。

 そこで、フィクションのケータイ小説だけど、模擬挙式をする二人の物語をプラスしてあげさえすれば、ただの模擬挙式も友人の結婚式に近い感覚で体感してもらえるんでは? と思ったんです。

 結果、小説を多くの方に見てもらえ、挙式には定員を大きく超える人応募・参列していただき、参加できなかった読者の方から本物の祝電も届くという粋な計らいもあり大成功に終わりました。

 このお仕事は、今までGoogleばかり見てサイトを作っていた僕にとっては、初めて“ユーザーのためのコンテンツづくり”ができたんではないか感じた、そんな思い出深い仕事です。

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商品・サービスはお客様のために? だったら広告は?

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この記事の著者

眞鍋 海里 (マナベカイリ)

BBDO J WEST コンテンツプランナー/インタラクティブプランナー

1982年 宮崎市生まれ。大学卒業後、タワーレコード、WEBプロダクションを経て、08年外資系広告代理店BBDO J WESTに入社。 ”人は広告なんて求めていない”という考えの元、【コンテンツ発想】にてコ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/08/26 15:44 https://markezine.jp/article/detail/20551

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