元ドクターシーラボの西井氏、オイシックスのCMOへ就任
「セッションテーマは、ダイレクト戦国時代。私自身もダイレクトマーケティングの支援に携わってきましたが、CPAが悪化する、CPOがうまくとれない、売上があがらない、LTVを重視しなければ……といった様々な課題があり、オンライン・オフラインを含めて苦しい時代になっています。このような状況で、パネリストの御三方がこれまでデジタルマーケティング業界で行ってきたことが、何かのヒントになるのでは」とモデレータの武藤氏は口火を切った。
パネリストの旅行作家&WEBマーケッター 西井敏恭氏は、昨年まではドクターシーラボに勤めており、アドテック九州2013にも登壇(関連記事はこちら)。今後は旅人を卒業し、食材宅配ネットスーパーのオイシックスのCMOに就任し、同時に通販CMOサービスのwarmthを設立することが同セッションで発表された。
「なぜオイシックスなのですか?」という武藤氏の問いに対し、「色々なお誘いをいただいた中で、一番多かったのは経営者の方からCMOになってくれというお話しでした。面白い経営者の方は、CMOの存在意義をよくわかっているものの、そこに当てはまる人材がいないことに悩んでいます。ですので、実務をやりながら、その一方でCMOの文化を日本に根付かせる事業をやっていきたいと思いました」と西井氏。
「あとはオイシックスさんから、『面白い会社をつくりたい』と言われたことですね。今後はオフラインに対してのスーパーの展開をやっていきたいなど、これから取り組んでいく事業がすごく魅力的でした。海外ではネットスーパーはすでに当たり前になっている国もあり、イギリスでは50%くらいはネットスーパー化しているのでは。そのような、これから拡大していく市場に対して、ECだけではなく、オフラインも含めた全体のマーケティングに一緒に取り組んでいくことで、もっと面白い事業ができるのではないかと思います」(西井氏)
ネットとリアルのマーケティングの違い
今年1月に、オイシックスは東京・吉祥寺にリアル店舗「Oisix CRAZY for VEGGY」をオープンし、話題となっている。(関連記事はこちら)「元は通販から立ち上がり、オフラインに進出してリアル店舗へ商売を広げていく。そこに、ネットとリアルのマーケティングの違いはあるのでしょうか?」と武藤氏は問いかける。
西井氏は、「ECに限るかもしれませんが、一番わかりやすいリアルとネットの違いは“比較されるか否か”」と指摘する。「他にも違いはあると思いますが、ここをしっかり考えていくことがベースです。価格の比較をされないようなコピーだったり、ブランドをきちんと構築していくことが大事でしょう。ZOZOTOWNも比較されると思いますが、清水さんはどうお考えですか?」
それに対して、スタートトゥデイの清水俊明氏は「ZOZOTOWNでは2,000ブランド以上を取り扱っていますが、まずお客さまは比較しているでしょう。ただ、ZOZOTOWNやAmazonなどの全てのモールや自社ECを使っているブランドが、最もブランドに対してのお客さまの離反が少ないですね。比較されるから恐怖というよりも、切磋琢磨して、お互いに盛り上げていくのが良いのでは」と応える。