LINEにFacebook、Twitterなど、多数のユーザーを抱えるソーシャルメディアのマーケティングプラットフォームとしての活用に注目が集まっている。「ソーシャルメディアでモノが売れるのか」といった課題に向き合っているマーケターに向けて、アドテック九州2014『なぜもっとSNSを活用してECサイトを成功させようとしないのでしょうか??』と題したセッションで共有された楽天のソーシャルEC戦略をレポートする。
ソーシャルメディア上におけるECサイトへの言及数が急増
「本セッションのテーマは、なぜもっとSNSを活用してECサイトを成功させようとしないのか。これについて議論を進めていきます」とモデレータのTwitter Japan 味澤将宏氏は口火を切った。
下記の図は、直近3年間の主要ECサイトに関する月間言及数の推移を示している。単純に、Twitterのツイート全数データを時系列で「楽天」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」という3つのコマースプラットフォームに対する言及数を調べたもの。ここから、カスタマージャーニーの中でソーシャルメディアの存在が非常に大きくなってきていることわかる。消費者の購買行動の中で、ツイート自体を検索して、ものを探したり評価を見るといった行動が日常化してきているのかもしれない。

「基本的には言及数は右肩上がりで増加していますが、楽天が大きくはねている部分があります。去年の今頃、Twitterの中で楽天は月間で250万ツイートされていましたが、今日の時点では500万ツイートを超えています」と味澤氏。
それを受けて、楽天 マネージャーの田島由美子氏は、「言及数がはねているのは、楽天イーグルスが優勝した時ですね。私は特需と呼んでいるのですが、おかげさまで売上も非常に上がりました。ソーシャルメディアは世の中のうねりを可視化する場です。このスパイクの時は、運営者として泣けるほどの応援メッセージをいただきました」と語る。
楽天のソーシャルメディア戦略の4つの軸
楽天の田島氏は、同社が展開する「楽天市場」「楽天カード」といった個々の事業ではなく、事業をまたいだ横断組織に所属している。ソーシャルメディアを使って楽天の事業を牽引し、拡大させることがミッションだ。同ミッションを実現する戦略として、ソーシャルメディアを活用する4つの軸があるという。

1、ソーシャルメディアマーケティング
各ソーシャルメディアのプラットフォームで公式アカウントを運用し、そこからオウンドメディア(楽天のサイト)への流入を増やす。
2、ソーシャルデータ活用
ソーシャルメディア上の活動で蓄積されたデータの活用。顧客はソーシャルで「楽天」についてどんなことを言っているのか。また「楽天」に限らず、Twitter上で発言した顧客の好きな本のデータを、楽天の広告のオプティマイズ(最適化)に活用するといった取り組み等も含む。
3、ソーシャライゼーション
ソーシャライゼーションには2つの側面がある。1つはオウンドメディアをソーシャル上に拡散・浸透させること。もう1つは、ソーシャル上のコンテンツをオウンドメディアの中に組み込むこと。オウンドメディアをリッチにして、CVを上げることに取り組んでいる。
4、アライアンス
アライアンスとは、ペイドメディア、いわゆる広告枠を買うといった表面的な話しではない。データを連携するなど、より深い取引を行うことを意味する。
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安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)
翔泳社 メディア編集部門 ビジネス編集統括 第2メディア編集部 部長 兼 Biz/Zine編集長
慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、新規事業を創出。2019年4月~2026年3月、MarkeZine 4代目編集長。2025年4月よりBiz/Zine編集長を兼任。2026年4月より現職。編集業務と並行して、デジタル...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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