カスタマーレビューを活用してサービスを向上させる
The Container Storeは1978年に設立し、現在は全米66店舗とオンラインストアを展開している。同社のBrandy氏は「Container Storeは、消費者の声を聞くだけではなく、サービスレベルを向上する方法を必要としていたため、その目的に最適だと思いBazaarvoiceの導入を決定した。導入後は、バイヤーを含む従業員はBazaarvoiceのトレーニングを受け、毎週一定時間レビューを読むことや質問への返信に費やしている。バイヤーは評価が低い1と2のレビューだけでなく、評価が高いレビューも読み、店舗のスタッフや配送センターと一緒にフォローアップしている」という。

また、「サービスレベルを向上するために、カスタマーレビューを活用して、評価の低い商品のレビュー内容を確認し、商品の欠陥を特定し、それを修正することによって返品率の低減につなげたり、ベンダーと品質管理を徹底し改善をすすめている」とも語る。

ネット上のカスタマーレビューが、リアル店舗に大きな影響を与えている
「Bazaarvoice Summit 2014」に参加する前は、オンラインに限定したカスタマーレビューの効果や最新テクノロジーの話題が多いと考えていたが、実際はリアル店舗での消費者の購買行動の変化、特にネット上のカスタマーレビューがそれに大きな影響を与えていることを、事例や調査結果など具体的な数字を交えて紹介されており、新しい消費者像をイメージできたことが最大の収穫であった。
また「オムニチャネル」と聞いて思い出したのは、2000年頃に流行っていた「クリック&モルタル」である。当時は「ブリック」を「クリック」に変えた造語であることからもわかるように、オンライン(クリック)側に重心があったが、10数年経って、店舗(モルタル)側に重心が移っているように思う。
ネットから店舗へ誘導する施策(O2O)の分野では、日本は独自の進化を遂げたガラケーの普及により、世界に先駆けており、携帯メルマガやサイトを駆使した施策で成功体験がある。今回、O2O関連の最新事例やデモンストレーションブースもあったものの、特に目新しさは感じなかった。
オムニチャネル化を促進して効果を出していくうえで、店舗の売上を左右する最大のコンテンツであるカスタマーレビューの活用は必須だ。すでにO2Oの取り組みが盛んな日本においても、カスタマーレビューを活用することで、さらに一歩すすんだオムニチャネル施策ができる可能性を感じた3日間であった。