フリークアウトが提供するDSP「FreakOut」が、新たに「Adap.tv」(アダプティービー)とRTB接続した。
これまで「FreakOut」はGoogleが提供するアドエクスチェンジサービスを通してYouTubeを中心にプレロール型動画広告をRTBで買付け・配信してきた。今回新たに「Adap.tv」とRTB接続をしたことにより、「FreakOut」を利用する広告主は、YouTube、ニコニコ動画、Ustreamなど、日本の主要な動画配信サイトや、新聞社、ニュース媒体など多数のプレミアム媒体を対象に一元的に動画広告の買付が可能になった。
さらに、フリークアウトがDSPと一体の形で提供するプライベートDMP「MOTHER」や、インティメートマージャーの提供するパブリックDMPを活用することで、ディスプレイ広告だけでなく、動画広告でも最適なオーディエンスに対して、最適なタイミングで、生活者とコミュニケーションを図ることを実現する。そして今回の発表に伴い、フリークアウト Corporate Development 溝口浩二氏とAdap.TV 代表取締役 橋本久茂氏にインタビューを行った。
ネットで動画広告を配信する価値はRTB/ターゲティングにあり
2013年の国内インターネット動画広告市場は132億円となり、インターネット広告市場全体(6,576億円)に占める動画広告構成比は2%と言われている。そして2017年には640億円にまで拡大し、広告市場全体(9,306億円)に占める動画広告構成比は6.9%まで増加すると予測されている(シード・プランニング調査より)。順調に拡大を続ける動画広告市場だが、動画のRTB市場はまだ立ち上がったばかりという印象がある。
「動画広告を単純に出稿するだけでは意味はありません。それにターゲティング施策などを組み合わせていくことで、はじめてインターネットで動画広告を配信する意味が出てきます。日本市場において、動画媒体のインプレッション数はYouTubeが断トツです。日本のテレビ局や新聞社といったパブリッシャ―も取り組んではいますが、YouTubeに対抗できるようなプリロールの在庫という意味では、ニコニコ動画の存在はとても大きいです。そこに対してRTBかつターゲティングで広告配信ができることに大きな価値があります」(橋本氏)
「バナー広告の世界であれば、3年前から“アドテク”というキーワードで、デジタルインテリジェンスの横山氏が提示したように“枠から人へ”の流れが一般的になりつつあります。基本的にはDMPを導入して、広告主は自社データなどを活用して、対象者がどんな人なのかによってメッセージを変えるのがRTBの肝です。
これまでは、YouTubeが動画在庫のほぼ全てでした。今回、ニコニコ動画が加わることで、月間800万人以上のリーチが増えます。YouTubeは月間約2,500万人(ニールセン調査)、ネットにPCでアクセスする人はおよそ6,000万人程度と言われていることから、重複はあるにせよ、おおざっぱにその半数以上をこの2つの媒体でカバーすることができます。
ナショナルクライアントをはじめ、様々な広告主はDSPを通した動画広告配信に興味を持っています。そしてその多くは、リーチの問題からYouTube以外でも動画広告を配信したいというニーズを持っています。ニコニコ動画とYouTubeをはじめ、様々な面を組み合わせてターゲットにリーチする施策を行っていくことでより効果を上げていくことができるでしょう」(溝口氏)
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