有限責任監査法人トーマツとデロイトトーマツコンサルティングのTMT(Technology, Media & Telecommunications)グループは、日本および世界8か国約1.8万人のメディア利用動向を比較分析し、「デジタルメディア利用実態グローバル調査2014(Digital DemocracySurvey)」として結果をまとめた。レポート内で日本については、メディア利用に関して成熟度は発展途上にあり、今後の成長が期待されると結論付けられている。
日本のスマホ普及率50%超えるも、総合的な所有率低い
スマホ普及が5割を超えた日本だが、複合的な端末所有率の観点では、他国に比べると未だ割合は低いと言える。特に、タブレット・ノートPCとの複合保有が17%に留まり、欧米の半分以下程度と低調。スマートフォン・タブレット・ラップトップを全て保有し、目的や環境により使い分けを行う消費者層の割合は、調査国8か国中最も少なく、各国との乖離が大きい。
また、スマートフォンやタブレットの用途をみると天気・検索・カメラ、SNS利用、ナビ(地図)が上位にある。一方で他国に比べバンキングや読書、ストリーミングなどが上位に上がらない傾向があった。
ニュース取得方法、最多は各国ともにテレビ
ニュースを取得するためのメディアとして、テレビを上げる割合は各国とも多く、次点はどの国でもネット(ポータル、電子版の新聞、SNS)となっている。日本では27%がポータルを取得方法として挙げており、これは各国で最大の割合。一方で新聞の電子版を挙げる割合は各国で最低の4%となった。これは、日本では紙の新聞を取得方法として挙げる割合が他国に比べて、大きいことが要因として考えられる。ただし、紙と電子を合計しても新聞を上回るポータルサイトの影響力は、大きいと言える。
日本のゲーム利用頻度は比較的低い、PC向けゲームの利用低いためか
ゲーム利用頻度について、日本は高頻度での利用(日次/週次)と回答した割合が最も低い結果となった。オンラインゲームの利用頻度が高い国ほど、頻度が高くなっている傾向が見え、相関関係が見出せる。また、日本ではゲーム専用機の利用が高く、タブレット等の利用が低いといった傾向も見られた。
日本のSNS投稿頻度は低く、情報取得目的の意識が高い傾向
日本のSNS利用率は5割程度(49%)となったが、投稿頻度について毎日投稿する人の割合はアメリカ53%に対して、日本では1/4未満の13%にとどまった。また、日本のSNS利用の特徴として、利用目的に友人・家族の状況を知ることのほか、最新のニュースを知るためと答える割合が多いことが挙げられる。
購買決定に影響力のあるメディア、2位にテレビ広告入るも「ながら見」定着化
購買決定における影響力について、いずれの国も「家族、友人、知人からの推薦」が1位、中国以外は「テレビ広告」が2位となった。一方で、テレビについては「ながら視聴」が一般化しており、番組および広告への注意力が低下の懸念がある。また日本では、オンラインにおいて、仲間内からの推薦よりも製品・サービスユーザー等のレビューの影響が強いことが特徴的。
【調査概要】
調査期間:2014年2月~2014年4月
調査人数:14歳以上の消費者8か国17,699人(うち、日本は2,150人)
調査方法:オンラインアンケート
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