「自分たちのメディア」と思ってもらえることが一番の強み

押久保:外部サイトとの提携はどのように考えていますか。ヤフーさんやスマートニュースさんなどと積極的に取り組まれている印象です。
西山:現在、複数の媒体に記事提供をしております。ワールドカップ期間中に1億2,000万PV/1,200万UUを超えたのですが、それはスマートニュースとヤフーによるところも大きいです。
でもコンテンツの価値を追求することと、ビジネスとして数字を作ることは、バランスが大切だと思っています。数字ばかりを追いすぎると、記事の価値を落とすことにもつながりかねません。
佐藤:メディアを育てるには、センスが必要です。テクノロジーへの理解、マネタイズ機能、コンテンツ制作能力、提携先開拓も含めたマーケティング、どれが欠けてもダメだと思います。今のチームは、そのバランスを保つことに長けています。
戸塚:コンテンツがわかる西山、システムやマネタイズがかる佐藤がいて、はじめて形になってきたと思います。あとは、コアな読者層である高校生世代が「自分たちのメディア」と思ってくれている、という点も大きいです。
押久保:と、いいますと?
戸塚:ガラケー時代に取り込んだ高校生ユーザーは、いま22~23歳になっています。つまり今の日本代表やオリンピック代表は、ゲキサカ世代なんです。なぜ、彼らがゲキサカを見ているのかわかるのかというと、ゲキサカの写真を自分たちのブログにコピペしているんです(笑)。香川くんなどもゲキサカを見てくれているそうです。
高校生の頃に触れたメディアには、「自分たちのもの」という感覚が生まれるのでしょうか。だから「俺もいつか出たい」もっというと「俺をゲキサカに出せ」という感覚になる。親も「うちの子を出せ」みたいな感じで「自分たちのメディア」に自分が出ることに、喜びや誇りを感じて頂いてるのでは、と思っています。
2010年の全国高校サッカー選手権で山梨学院高校が優勝したとき、生徒たちがメダルをもってゲキサカ! ゲキサカ! と騒いでいたのです。どうも「オレたちを載せろ」というメッセージだったようです(笑)。当時ゲキサカは無名だったので「なんだゲキサカってのは?」と大手メディア記者の間で話題となりました。
押久保:「自分たちのもの」という感覚をユーザーに持っていただけるのは、メディア運営において非常に大きな財産ですね。最後にゲキサカの今後について、一言づつお聞かせください。
西山:読者の年齢層を下げたいです。中学サッカーの情報も配信して欲しい、という要望もあるんですよ。
戸塚:『ガキサカ』…ってこと?!(笑)
佐藤:ゲキサカの名を冠したインフラが作れないか、と思っています。
戸塚:日々改善、ですね。今年はこのまま地道にやっていき、来年ぐらいでスケーラブルなジャッジが必要になるのかなと思ってます。サッカーは世界中で愛されるスポーツです。そういった面からグローバルでの展開もできないものだろうか、なーんて妄想もしている最中です。
