直接足を運ぶからこそ見える地方のニーズ
アドテクを活用した広告商品をスタートして約3か月。商品群は現在、広告売上のなかで約10%を占める。広告収益も売上にそのまま上乗せされている状態だという。特に多いのは、地方からの引き合いだ。実際に、WP(ウエパ)サーチプラスを利用している地方の式場は、首都圏の3倍にものぼるという。「これまでの広告の売れ行きは首都圏の方が多く、クリックも多かったです。しかし、今回は各地の広告主様から非常に興味を持っていただいています」
地方を中心に、広告=純広告という認識が強いウエディング業界。アドテクを駆使した広告商品をどのように広告主にリーチしたのだろうか? 尋ねてみたところ「基本的には当社の営業部隊が直接、式場に伺い商材を紹介しています」とのこと。社員の半分が営業部隊だという同社は全国に8つの拠点を持ち、既に太い営業網がある。そのため、普段から提供している商品と共に、新商品として無理なく紹介することができたという。「現在、全国に結婚式場は約5,000弱あるといわれています。当社は2014年の4月時点で1,900以上がクライアント。これは国内最大級の取り引き数です。だから、良い商品を作れば浸透できると考えています」
さらに、「教育部分にも力を入れています」と大竹氏。インターネット広告の知識やノウハウがない式場や営業担当向けの勉強会も行っているという。「ただ商品を伝えるのではなくて、より深く知ってもらうことで業界全体の成長促進にもなると思います」このように語る大竹氏自身も先月は名古屋、先週は大阪と全国を飛び回っているという。
実際に各地に赴き、クライアントと会うことで見えてくるものもある。「お客さまのなかには手探りでWeb施策を行っている式場もあります。または、知っているけど、活用や運用の仕方がわからない。でも効果は良いらしいし、ピンポイントで訴求できるから気になる・やってみたいという声が多いと感じました」
潜在ニーズの強い状況で商品を紹介をすると、“待ってました”という反応があったという。「おかげさまで、継続率も非常に高いです。広告によって戦略は異なるので、一概に継続率だけですべては語れませんが、少なくとも納得して使ってもらえているのではないかと思います」
目指すのは「式場のWeb戦略担当」
確かな手ごたえを感じた大竹氏は、2016年までにアドテクを活用した広告で10億円の売上をあげることを目標としている。「イメージとしては、今の自社広告枠で作っている売上の規模を1年でアドテクだけで同程度のパワーバランスにして、次にその2倍強の規模に成長させたいと考えています。ゆくゆくは、アドテクによる広告を中心に販売する組織にしていきたいですね」
また現在、データ活用の強化を視野に解析チームの準備も進めているという。しかし、「お客様のニーズとして、データがどこまで必要か見極めるのも重要です。どうしても提供側は、セグメントを細分化するなど“こんなことまでできるよ”という方向になりがち。でも、現場の声を聞くと、そんなとこまではいらないよ、という意見もあります。私たちの目的はあくまでも、式場側にとって効率的なプロモーションを行うことです」と大竹氏。データ分析の可能性を考えつつも、作り手本位になることなく、式場が目指すプロモーションや取り組みに最適なサービスの提供を行っていきたいと語る。
最後に、大竹氏が目指すものを尋ねた。「最終的には、当社が結婚式場のWebやデジタルマーケティング戦略を担える存在になりたいです。当社は直販の営業部隊がいて、私のように広告の企画開発をしている人間も、お客様の元に出向いてお話を伺えるという強みがあります。これからはもっと踏み込んで、Webでのことはウエディングパークさんに相談すれば安心できるね、という関係にしたいです」とのこと。式場にとっても、これから結婚を迎える一般ユーザーにとっても非常に頼もしいパートナーになりそうだ。

