低予算で実践でき、同時にブランディングを実現
他のマーケティング手法同様、米国ではすでに実践フェーズに入っている。ある調査によると、今年はBtoB企業の93%が何らかのコンテンツを活用したマーケティングに取り組んでおり、73%が前年よりもコンテンツ量を増やしているという。
一方、日本では、まだ「興味がある」フェーズのようだ。今年2月に発表された調査によると、マーケターが注目するマーケティング施策として、1位のオウンドメディアマーケティング(37.6%)に次いでコンテンツマーケティングは2位(32.4%)に挙げられている(出典:宣伝会議2014年2月号)。この2つは切り口は異なるが、実際の取り組みは類似したものである。宗像氏は「少し前から話題のトピックであるO2O(4位/25.4%)やDMP(9位/14.4%)よりも、かなり上位」と指摘し、その後に同社への検索流入や問い合わせがさらに増えたという。
米国での状況、そして日本での関心の高まりを考えると、これから一気に浸透しても不思議ではない。そもそも米国でここまで一般化した発端は、「予算が少ないシリコンバレーのベンチャー企業が活用し始めたこと」だと宗像氏。
「例えばリスティング広告は、投下し始めると数十万~数百万円はコストがかさみますが、コンテンツマーケティングはそれよりずっと小規模で始められます。また、“ソートリーダーシップ”が発揮できることも有効です。先駆者として考えを発信することで、同業他社やメディアから一目置かれる存在になり、ブランド形成に役立ちます」(宗像氏)
本来マーケターが接触したい、潜在顧客をコンテンツで育成する
そして、低コスト、ブランド形成と並んで見過ごせないメリットが、冒頭でも紹介した「見込み顧客を開拓できる」点だ。リスティング広告や被リンク型SEOと比べると、コンテンツマーケティングは当然ながらコンテンツを蓄積する時間が必要であり、即効性も低い。
「リスティングを最適化していないなら、まずはそれを整備することを私も勧めます。ただ、単価の高騰がネックです。Googleは被リンク型SEOを取り締まるようになっています。それらと比較すると、コンテンツマーケティングは他の“刈取り型”施策では難しい見込み顧客の育成という効果が期待できます。さらに、コンテンツが蓄積すればそれが資産になります」(宗像氏)
リスティングやリターゲティング広告、販促キャンペーンなどはニーズが顕在化している層にアプローチするため、顧客獲得にも時間がかからない。だが、本来マーケターが接触したいのは、それよりも自社や商品のことを知らない潜在層、さらにはその商品へのニーズにすら気付いていない深い潜在層である。それを叶えるのが、コンテンツマーケティングだ。
では、具体的にどのようなコンテンツでアプローチすればいいのだろうか? 宗像氏は、「商品やサービスとの関連性が高いか/低いか」そして「共感されやすいか/されにくいか」の2軸でコンテンツを分類して考えることを提案する。成功例では、これまで見逃されていた「関連性は低い」が「共感されやすい」部分をうまく埋めているという。
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